5月の花々からホタル、そして光るキノコへ

対馬の自然,対馬楽講座

 こんにちは、総会の準備に追われているエヌです。
 1年間の事業報告・決算、事業計画・予算を発表する場で、これが終わらないと落ち着かないんですよねー(-_-;)

 さて、そんな人の都合とは関係なく、大自然は大きなサイクルで巡っていきます。
 花々が咲き、ホタルが舞い、梅雨になれば光るキノコが発生します。
 今回は、5~6月の対馬の生き物を紹介します。

5月上旬: 個性的な花々、大陸系生物、防人の歴史

ナンゴクウラシマソウ

 サトイモの仲間。
 長く伸びる付属体(ひも状の部分)を、浦島太郎の釣り竿に見立てた秀逸なネーミングセンスです。

ギンリョウソウ

 光合成をやめて菌類に寄生・共生している変わり者。葉緑体を持たないため真っ白な姿をしており、妖しい森の妖精のようです。
 漢字で書くと銀龍草。

キエビネ

 この時期、もっとも見応えがある花のひとつ。
 対馬には比較的多く自生していますが、全国的に野生の欄の仲間は乱獲で激減しています。

ツシマスベトカゲ

 国内では対馬のみ、ほかに朝鮮半島、済州島に分布するそうです。
 ツシマヤマネコ同様、対馬と大陸が繋がっていた氷期の遺存種なんでしょうね。

タンナチョウセンヤマツツジ

 対馬と韓国の済州島(古名は耽羅王国=タンナ)のみに自生する、氷期の生き残りです。

金田城

 古代山城・金田城から朝鮮半島方向の水平線を望む。
 この城の建造を命じたのは、あの中大兄皇子(なかのおおえのおうじ=天智天皇)。
 「大化の改新」と呼ばれる国内改革を進めるなか、同盟国・百済が唐・新羅の連合軍によって滅ぼされます。
 朝鮮半島南西部の「白村江」に援軍を送るも大敗。
 国境の守りを固めるため、この地に金田城を築き、国境守備兵・防人(さきもり)を配置しました。

 対馬は、自然も歴史も、国境の島なのです。

5月中旬:  初夏の訪れを告げる生き物たち

キアシドクガ

 5月中旬の昼間、真っ白な姿で大量にひらひらと舞いはじめ、目立ちます。
 一見チョウのようですが、実はガ(蛾)の仲間。
 名は「ドクガ」ですが毒はないようです。

ビワ

 長崎県が生産量日本一。
 対馬にもたくさん自生(というか、中国原産の果樹なので帰化?)しています。
 摘果(間引き)、袋掛けなど丁寧に育てれば大きな実に育つのでしょうが、対馬では放置されてたくさん実り、人と鳥が適当に食べます(笑)

ゲンジボタル

 5月21日初見(数日前から舞っていたようです)。
 実はゲンジボタルは日本特産種。対馬には多く生息しますが、海の向こうの朝鮮半島や大陸には存在しません。
 見頃は6月中旬くらいまで続きます。

6月初旬~:光るキノコとツシマヒメボタル

 そして6月、対馬の森はもっとも神秘的なシーズンを迎えます。
 原始林の暗闇のなか、緑色に淡く光るキノコ(シイノトモシビタケ、ヤコウタケ)が姿を現すのです。
(写真は2025年5月25日)

 さらに、チカチカとフラッシュ光を放つツシマヒメボタルの成虫や、アキマドボタルの幼虫(秋に成虫になりますが、幼虫も光ります)の出現時期とも重なるため、運がよければ、キノコとホタルたちの光の競演を楽しめます。

 光るキノコが発生するのは、平均気温が20℃を超え、本格的な夏が来る前の梅雨時期。
 発生から1週間ほどで傘がしぼむので、雨が降った数日後がベストタイミングです。

 総会が終わったら、チェックに行ってきます!(笑)

対馬博物館・特別展「対馬の生き物たちの半世紀」

 5/30(土)~8/31(月)、対馬博物館で特別展「対馬の生き物たちの半世紀」が開催されます。

 しかも、6/20(土)14:00~15:00には講座「対馬の湿地帯生物と生物多様性」(中島 淳さん)、さらに
同日15:30~16:00には担当学芸員(谷尾 崇さん?)による展示解説会が開催されます。

 この夜に「光るキノコ観察会」を開催すれば、トリプルコンボですね。うふふ。