大人気企画「平坂寛と生き物の夜in対馬」(2026/7/25)を開催しました!

2026/08/06対馬の自然,対馬楽講座

 こんにちは、夜の森での怪しい集会の主催者ことエヌです。
(光るキノコとかクワガタとかですね)

 生物ライターの平坂寛(ひらさか ひろし)さんをお迎えし、今回で7回目を迎えた大人気の自然観察会「平坂寛と生き物の夜in対馬」の様子をお届けします!

平坂寛と生き物の夜in対馬

 これまで、昼・夜、清水山や鶏知ダムなど試行錯誤しながら開催してきましたが、今回は「あそうベイパーク」(美津島町大船越)のキャンプ場リニューアルオープンを記念して、同会場で初開催となりました。

 講師の平坂さんの人気もあり、募集開始から1日たらずで定員(50名)を突破!
 当日は52名の怪しい人々・・・ではなく、生き物大好きなみなさんにご参加いただき、大賑わいの観察会となりました。

【開催概要】
・日時: 2026年7月25日(土)18:00~21:00
・会場: あそうベイパーク(長崎県対馬市美津島町大船越23番1)
・講師: 生物ライター 平坂 寛(ひらさか ひろし)氏
・参加者: 52名(島外から18名、島内から34名)+スタッフ

当日の様子・タイムスケジュール

18:00 集合&会場の下見

 今回は小さなお子さんも多いので、まずは明るいうちに会場を下見して、歩くコースを確認します。
(ベイパーク内は遊歩道が多く、数か所で分岐があります)

18:30 平坂寛さんの生き物トーク(30分)

 続いて、大人気YouTubeチャンネル(登録者数98万人超!)でもおなじみの生物ライター・平坂寛さんによるトークタイムです。
 会場に現れた瞬間から参加者に囲まれ、サインや質問攻めでした(笑)

 長崎市出身・沖縄在住の平坂さんは、「食べる・刺される・噛まれる・電撃を受ける」など、まさに五感をフルに使った取材スタイルで知られています。

 今回は、

  • デンキウナギやスズメバチ、ヒメハブといった「危険生物」の体験談
  • ツシマヒラタクワガタなど「対馬ならではの生き物」の魅力
  • 夜の自然観察における安全面の注意

 など、ここでしか聞けない貴重でスリリングなお話を、子どもも大人も熱心に聞き入っていました(時々悲鳴)。

  主催者としては、野外トーク中の蚊・ブヨなどの不快害虫(によりトークに集中できなくなること)を心配していましたが、発生せず安心しました。
 なぜか平坂さんだけアブに刺されて、「痛っ!」と叫んでいました(笑)

19:00 あそうベイパークの森で生き物探し!

 トークの後は、平坂さんの先導で夜の森へくり出します。

 ↑は昼の森の写真です。夜の帳(とばり)が降りるにつれ、徐々に生き物の気配が濃くなっていきます。

 コナラやアベマキの木を巡ると、対馬固有種のキリギリス「ツシマフトギス」や、国内最大級の「ミヤマカミキリ」を発見。
 さらに高台の休憩所へ向かう途中、参加者のお子さんが「ツシマヒラタクワガタ」を発見しました。

 九州本土ではコクワガタやノコギリクワガタが主流のようですが、対馬ではヒラタクワガタが優占種(勢力が強い)のようです。
 カブトムシは鶏知ダム周辺にはかなり多いのですが、ベイパークでは見かけないなど、生息環境の違いも感じました。

 今回も様々な生き物に出会うことができましたが、それらの魅力を倍加させたのは、平坂さんの人柄・知識・経験・生き物愛と、参加者の皆さん(特に子どもたち)の好奇心・熱量でした。

 山を降りたあとは、対馬博物館のTさんも一緒に、光に集まる昆虫を観察しました。
 当日は月が明るい夜(月齢10.7)でしたが、大型のガやカミキリ、クワガタなどを観察することができました。
 Tさん、いつもありがとうございます!

 あそうベイパークは広大な公園で、今回はその森の一部を利用しましたが、昆虫の出現頻度もちょうどよく、楽しい(怪しい?)観察会になりました。

 観察会終了後、平坂さんはそのまま別の森へ向かい、ツシママムシ、ツシマヒラタクワガタ、ツシマカブリモドキなどを確認し、翌朝には沖縄でのイベント出演のため対馬空港へ。

 今回の滞在を通じて、ツシママムシ、オニヤンマ、チャドクガ・イラガ、エチゼンクラゲ、ツマアカスズメバチ、アイゴなど、調査ミッションが継続・追加されたようで、「また来ます!」と力強い言葉を残して旅立たれました。

 講師の平坂寛さん、ご参加いただいた皆様、スタッフのみなさん、ありがとうございました!

【ご注意】
 あそうベイパークは通常、夜間は施錠されており、キャンプ客のみ夜間滞在が可能です。
(今回はイベントのため特別に許可を得て利用しました)
 真夏のキャンプ・車中泊は、猛暑による寝不足・熱中症などを誘発しやすく、ファン(扇風機)、水冷マット、ポータブルクーラーなどの装備を活用できる上級者向けです。

「自然観察会」について

 「対馬のような観察会を開催したい」というお声をいただくこともあり、また平坂さんも「他の場所ではやらないんですか?」とよく聞かれるそうです。
 当協会でも毎回試行錯誤を重ねており、今回は会場選定や環境への配慮、採集マナーについて少し書いてみたいと思います。

会場選定

 観察会は、子どもたちを含む大人数で動き、危険生物との遭遇やケガの可能性もあるため、何よりも「安全第一」です。

  • なぜ「夜」なの?
     かつては昼に開催していましたが、熱中症のリスクもあり、生き物も休んでいて探しにくいため(平坂さんも私も冷や汗が出ました)、涼しく、観察頻度が上がる夜に変更しました。
  • 会場の条件
     駐車場・トイレなどの施設、ある程度の広さが必要なので、ダム・公園などが適しています。もちろん、それなりに生き物を探せることが条件なので、担当者は、夜な夜なダムや公園で生き物を探すことになります(汗)
  • NGな場所
     天然記念物エリア、国立・国定公園の特別保護地区などでは採集が禁じられています。私有地は許可が得られればOKですが、許可をもらってイベントを開催した後、不特定多数の採集者が無許可で侵入するケースも想定されるので、お勧めしません。
  • 生き物の生息密度と種類
     昆虫がいなければ盛り上がらず、かといって多すぎると子どもたちはたくさん採りたがるので、「少なからず、多からず、そこそこいる」ことが重要です。(ムズいっ!!)
     また、希少種の採集は避けたい反面、普通種は人気がないので、人気種(でかい、かっこいい、綺麗、強そう)でかつそれなりに数が多く、飼育もしやすい昆虫がいるとやりやすいです。(対馬の場合、ツシマヒラタクワガタ。いや、そう考えると、意外と条件厳しいな!)
     ヘビ・カメ・野鳥・植物など個性的な生き物がいれば、採集を伴わなくても、充実した観察会になると思います。

採集ルールとマナーの遵守

 対馬には魅力的な生き物がたくさんいますが、だからこそ守るべきルールがあります。

  • 保護種・外来種の扱い
     国内希少野生動植物種(ツシマウラボシシジミなど)や天然記念物(アキマドボタルなど)などは採集できません。また、特定外来生物(ツマアカスズメバチなど)は生きたままの移動や飼育、放出が禁止されています。
  • 観察採集マナー
     「樹皮を剥がさない」「樹洞を壊さない」(=生息地を破壊しない)、「採りすぎない」「販売しない」(=過剰な採集を抑制する)、「最後まで飼育する」「放虫しない」(=生物多様性の保全)などのルール順守をお願いします。

責任を持って最後まで育てる

 子どもはたくさん採集したがりますが、クワガタを1つのカゴに集めるとケンカ(最悪、殺し合い)になるため、飼育頭数分のカゴやエサ、スペースが必要で、エサやりや掃除の手間がかかります。
(子どもが飽きて親が面倒を見ることが多いので、親御さんに念押しすると効果的です)
 また、放虫(採集地と別の場所に逃がすこと)は、交雑や遺伝子攪乱、ウイルス感染など生物多様性に悪影響を与えるので、絶対に避けてください。
 必然的に、持ち帰り数=責任を持って最後まで飼育できる数が上限になります。(オス1〜2頭くらい?)
 飼えない場合は「観察のみ」に留めることを、お子さんとご家族に説明し、同意を得ましょう。

 これからも、対馬の豊かな自然を活かし、安全に配慮した楽しい(怪しい?)観察会を企画していきますので、よろしくお願いします。