夏の想い出・自然編「ポケふたから氷河期まで」

2026/09/03対馬の自然

 こんにちは、今年の夏は7月7日のMISIAさんのコンサートに始まり、あっという間だったなあ、と感じているエヌです。
 まだまだ残暑は厳しいですが、夜の虫の音など少しずつ秋の気配が漂うようになりました。
 みなさんはどんな夏を過ごされましたか?

 今回は、7月下旬~8月のおもに「自然」(+いろいろ)に関する出来事を振り返ります!
(あ、夏休みの絵日記も最終日にまとめて書いてたような・・・)

1.対馬初「ポケふた」がお目見え

 8月2日(日)、「観光情報館 ふれあい処つしま」の大門前に、対馬初となるポケモンマンホール「ポケふた」が設置されました!

 描かれているのは、デンリュウ・レパルダス・キノガッサの3体。

 このポケふたは、位置情報ゲーム「Pokémon GO」および8月27日(木)からスタートしたスタンプラリー「ながさき照らす旅3」の対象スポットにもなっています。

関連リンク ながさき照らす旅3 スタンプラリー詳細(長崎旅ネット)

2.夏の対馬を彩る生き物たち

 8月もたくさんの魅力的な生き物たちと出会えました。

タマムシ(ヤマトタマムシ対馬亜種)

 宝石のように輝く構造色が美しい甲虫です。見つけるとテンションが上がります。

ハマボウ

 野生のハイビスカスの仲間で、夏の対馬の海辺を黄色い花で彩ってくれます。

オニヤンマ

 日本最大のトンボで、ニホンミツバチの巣箱「蜂洞(はちどう)」の近くでじっとミツバチを狙っていました。

カマキリ

 昼間の点のような黒目(偽瞳孔・ぎどうこう)が愛嬌がありますが、夜になると目全体が真っ黒になるんですね。

アカギカメムシ(幼虫)

 本来は沖縄や奄美などに生息する種ですが、近年対馬でも発見されています。
 アカメガシワに幼虫がたくさん群がっており、繁殖しているようです。

ニホンアマガエル

 小型のかわいいカエルなのですが、対馬のアマガエルは本土の倍くらい大きいそうです。

カブトムシ

 今年もたくさん見かけたカブトムシ。(クワガタは押され気味?)

 7月ころに発生し、お盆過ぎには寿命を迎えてしまうため、短い夏を懸命に生きているようでした。

3.太古の記憶・龍良山(たてらさん)原始林

 取材や自然観察イベント、文化財の巡視などでよく訪れる龍良山。
 ここには、かつての「縄文の森」の姿を今に伝える照葉樹(シイやカシなど)の原始林が広がっています。
 本土では農耕や里山としての利用によってほとんど失われてしまったこうした森が、対馬南部の厳原町内山(住所表記は豆酘)には約90ヘクタールもの規模で残っており、国の天然記念物に指定されています。

 龍良山登山口の手前には、ツシマヤマネコの野生復帰トレーニングなどを行う環境省の施設・事務所があります。

 国指定天然記念物、国定公園の鳥獣特別保護区、遺伝資源保存林など、厳重に保護されています。

 公園などでよく見かけるスダジイ(シイの木)も、原始林ではこんなに神々しい姿をしています。

 龍良山中にある「八丁角」(はっちょうかく)。別名「オソロシドコロ」。
 南側にも石積みがあり、神聖な山域と人間世界を隔てる結界になっています。

 1ヶ月以上雨が降っていませんでしたが、沢は水をたたえ、ツシマサンショウウオ(の幼生)が生息していました。

 シンボルツリーのスダジイ。
 低域ではスダジイ・イスノキなどの巨木が優勢で、いわばこの森の主(あるじ)たちです。

 森に霧がかかる「雲霧帯」は、通常は標高1000m以上の高山に形成されますが、対馬暖流の影響で水蒸気が多い対馬では標高300~350mくらいがそのラインになります。

 霧が立ちこめ、植生がスダシイ・イスノキからアカガシに変化し、コケに覆われた巨木や岩石が神秘的な世界を作り出します。

 美しい蛾の仲間、オオミズアオがいました。

 山頂からの光景です。
 対面(右奥)は対馬最高峰・矢立山ですが、大半が植林に覆われています。
 足元は、龍良山のブロッコリー状の原始林ですが、左右に植林が迫っています。

 龍良山原始林がかろうじて残されたのは、古代から近世までの強烈な信仰・タブーの力なのかもしれません。

 山頂では、旅するチョウ「アサギマダラ」が舞い、アマツバメが高速で飛び交っていました。

 帰路は「天道大神神社」に降りてきました。

 山は神域であり、本来はここで精進潔斎(心身を清める)して登山していましたが、観光客にみだりに神社に入ってほしくない、という地元の意向もあり、現在の登山口(森林管理署の看板があるところ)が設置されました。

 神社は聖俗の結界で、その強烈なタブーにより龍良の自然が維持されてきたのですが、登山口=神社がずれてしまったことにより、神社を訪れる人は減り、神山であることを登山者が意識する機会も失われてしまいました。

 龍良山を訪れる際は(山が単なるレジャーの対象ではないことを感じるためにも)、ぜひ神社にも参拝していただければ、と思います。
 

4.夏の風景

 雨が少なかった今年の夏ですが、ふとした瞬間に空を見上げると、いろんな風景が広がっていました。

 お盆過ぎ、7月上旬以来1ヶ月ぶりに大雨となり、見事な虹がかかっていました。

 「ノアの大洪水」(旧約聖書)の物語では、大雨が上がったあと、生き残ったノアの家族と生き物たちに対して、神がこう語りかけます。

 「二度と洪水で世界を滅ぼすことはしない。その永遠の約束の証として、空に虹をかけよう」

 もくもくと立ち上る積乱雲。夏ならでは。

 早朝、オリオン座が綺麗に見えたのでスマホで撮影すると、無数の白い星が写りこんでおり、びっくりしました。

5.博物館・展示など

対馬博物館「対馬の生き物たちの半世紀」

 5月30日から8月31日まで、対馬の生物研究50年の歩みを紹介する特別展が開催されました。

 「対馬の生き物観察館」も同時開催され、観光案内所で紹介すると夏休み中のご家族連れにとても喜んでいただきました。

対馬野鳥の会「対馬の野鳥 写真展」

 8月22日(土)~23日(日)、対馬野鳥の会主催の写真展には、200点を超える素晴らしい作品が出品されました。

 実は今年4月、観光案内で客船「にっぽん丸」に乗船し、済州島から浅茅湾に向かう際、陸地から何十キロも離れた海の上を、小さな野鳥「オオルリ」が懸命に渡っている姿を見かけて感動しました。

 9月の内山峠(日本一の観察数を誇る観察所)は、シベリアから東南アジアへ渡る小型の猛禽類「アカハラダカ」の観察を楽しむ野鳥愛好者で賑わいます。

九州国立博物館「氷河期展」(9月17日まで開催)

 対馬の生態系を語る上で欠かせないのが「氷河期」の存在、ということで、九州国立博物館の「氷河期展」を紹介します。

 地球は氷期と間氷期(温暖期)を繰り返し、氷期にはマンモスなどの巨大哺乳類(メガファウナ)が闊歩していました。

 気温の変動と海水面の上昇・下降は生き物の移動を刺激し、ツシマヤマネコは約10万年前の氷期に大陸から対馬へ渡ってきたとされています。
 九州が現在の北海道なみの気候だったので、生態系ごと南下・大移動してきたんでしょうね。

(あ、2万年前の最終氷期には対馬は大陸とつながってなかったらしく、やってきたのはその前の氷期のようです)

 巨大なマンモスは絶滅しましたが、ツシマヤマネコはこの対馬という島で生命をいまにつないでいます。
 それは本当に奇跡的なことなのかもしれません。

6. そして9月へ

 盛りだくさんだった8月が終わり、9月は

  • 空を舞うタカの渡り「アカハラダカ」
  • 秋に光る不思議なホタル「アキマドボタル」
  • 薄紫色の可憐な花「ダンギク」

 などが見頃を迎えるので、初秋の対馬の魅力をお届けする予定です。

 まだまだ暑い日が続きますので、みなさんも体調には気をつけてお過ごしください。

 それでは、また~。

 あ、歴史編はこちら!