歴史観光(和多都美神社)

神代の旅~竜宮伝説・和多都美神社~

2022/07/07

コースの概要

 大陸航路の要衝であり、国防の最前線でもあった対馬には、航海守護や武神などの古い神々が鎮座し、古神道の源流のひとつとされています。古代の港や神社をめぐりながら、いにしえの対馬の姿を実感できるコースです。

コース説明(式内社と女神)

 平安時代(10世紀)に編纂された「延喜式」神名帳は、当時「官社」とされていた神社の一覧です。神名帳に記載された神社を「式内社」(延喜式内社)と呼び、古くから朝廷に認められた神社として、一種の社格になっています。
 西海道(九州)全体で107の式内社が名を連ねていますが、そのうち対馬は九州最多の29社を誇り、2位の壱岐の24社を加えると、2島で約半分を占めています。対馬・壱岐は、神道の源流のひとつといえる島々なのです。
 対馬には多くの神々が鎮座していますが、特に重要視されてきたのが、海神の娘・豊玉(とよたま)姫と、神功(じんぐう)皇后です。豊玉姫は「古事記」の海幸山幸伝承に登場する女神で、初代天皇である神武天皇の祖母にあたります。航海守護・安産・豊漁などの庶民にも身近な神徳があり、島民に親しまれてきました。
 一方、神功皇后は懐妊したまま三韓(朝鮮)征伐を行ったとされる勇ましい女神で、子の応神天皇とともに「八幡神」として全国の八幡神社に祭られています。神功皇后は九州北部に縁の深い女神であり、対馬にもたくさんの伝承地があります。
 豊玉姫は外国への航海(交流)の守護神、神功皇后は外国から国土を守る女神であり、これはそのまま対馬の二面性(交流と国防の最前線)を表しています。

所要時間

観光情報館ふれあい処つしま(対馬観光物産協会)
↓ 車で35分
小船越(西漕手/阿麻テ留神社/梅林寺)
↓ 車で20分
和多都美神社
↓ 車で5分
烏帽子岳展望所
↓ 車で60分
観光情報館ふれあい処つしま(対馬観光物産協会)

※(一社)対馬観光物産協会は、長崎県対馬市厳原町今屋敷672番地1 観光情報館ふれあい処つしま にあり、厳原港から車で3分、対馬空港からは車で20分です。

コース図

 >>モデルコース・歴史観光 – (2) 神代の旅~竜宮伝説・和多都美神社~ (グーグルマップ)

動画 和多都美神社

対馬観光映像集~歴史編~ (MOTTO! TSUSHIMA HISTORY)

※画像をクリックすると、和多都美神社の映像(8:44~)が流れます。

ルート紹介

(一社)対馬観光物産協会

 観光情報の提供、パンフレットの請求はこちらまで。
【所在地】 〒817-0021
長崎県対馬市厳原町今屋敷672番地1
観光情報館ふれあい処つしま
【電話】 0920-52-1566
【アクセス】 厳原港から車で3分(徒歩10分)、対馬空港から車で20分。

(1)西漕手(にしのこいで) ~万葉の時代の港~

 小船越は三浦湾から小さな丘を隔てて浅茅湾の西漕手に接しています。小船越の地名は古くからこの丘を船を引いて西に越え東に越えていたことに由来します。かつて遣隋使や遣唐使などは、九州本土から三浦湾に来て、西漕手に用意されていた別の船に乗り換えて大陸に向かったと言われています。

(2)阿麻テ留(アマテル)神社 ~太陽を祀る古社~

 梅林寺のすぐ近くにある、天日神命(ヒニミタマ)をまつる神社。日本書紀に登場するなど、この地域の歴史の古さを物語っています。
※阿麻テ留のテは氏の下に一。

(3)梅林寺 ~日本最初の寺~

 百済の聖明王から欽明天皇に献呈された仏像を仮置きするために建立された、日本最古の寺と伝えられているのがこの梅林寺。対馬を経由して日本にもたらされた仏教は、蘇我氏と物部氏の対立を引き起こし、やがて聖徳太子の登場により仏教国家・日本が誕生することになります。

(4)和多都美神社 ~海の女神・豊玉姫~

 彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)と豊玉姫命(とよたまひめのみこと)を祭る海宮で、古くから竜宮伝説が残されています。本殿正面の5つの鳥居のうち2つは、海中にそびえ、潮の干満により、その様相を変え、遠く神話の時代を偲ばせる神秘的な雰囲気を漂わせています。

(5)烏帽子岳展望所 ~浅茅湾を一望~

 リアス式の波静かな浅茅湾を、360度ぐるりと見渡せる展望所。古来より日本と大陸を行き来する船たちが通った海域を一望することができます。

オプションルート1 「住吉神社・紫の瀬戸」

 小船越で国道382号線から東に分岐する市道へ向かうと、鴨居瀬の住吉大橋、さらに進むと赤島大橋があります。住吉大橋手前を右折して坂を下ると住吉神社です。
小船越→車で8分→鴨居瀬・住吉神社→車で5分→赤島大橋→車で13分→小船越に戻る

(6)住吉神社 ~海の女神・豊玉姫~

 鴨居瀬の住吉神社周辺の入り江には紫色のサンゴ(ソフトコーラル)が多く、万葉集に「紫瀬戸」と称えられています。

(7)赤島の海

 古事記・日本書紀の海幸山幸伝説に登場する海の女神・豊玉姫がこの地で子神を出産したと伝えられています。海底は白砂の浜となっており、天気のよい日には、陽光を反射してエメラルドグリーンに輝きます。

オプションルート2 「対馬一の宮・海神神社」

 豊玉町仁位からさらに国道382号線を15分北上すると峰町三根です。三根川の橋を渡ると案内板があり、左折して10分走ると峰町木坂の海神神社です。
豊玉町仁位→車で15分→峰町三根→車で10分→海神神社→車で25分→豊玉町仁位に戻る

(8)海神神社 ~対馬一の宮~

 海の守護神豊玉姫命を祀り、対馬国一の宮の称があります。神功皇后がこの地に寄られ、伊豆山の麓に幣を捧げ山雲を拝されたと伝えられています。

コース外の神社など

(9)太祝詞神社(ふとのりとじんじゃ) ~対馬卜部の祖・雷大臣~

 延喜式名神大社。対馬卜部の祭神である太祝詞神(天児屋根の別名)を祭り、かつては亀卜が行われていました。
 対馬の中央に広がる浅茅湾の南西部・美津島町加志(みつしままちかし)の集落の奥に鎮座しています。

(10)多久頭魂神社(たくずだまじんじゃ) ~天道信仰の聖地~

 赤米(古代米)神事や亀卜(きぼく)などの古い習俗が残る豆酘(つつ)の古社。境内内に延喜式名神大社「高御魂神社」(祭神はタカミムスビ)が鎮座しています。
 対馬南西端の厳原町豆酘(いづはらまちつつ)にあります。

(11)天神多久頭魂神社(てんじんたくずだまじんじゃ) ~天道信仰の聖地~

 貞観12年(870年)3月5日「日本三代実録」の授位にその記載があり、上県の佐護と下県の豆酘(つつ)に天童法師伝説の信仰として天神地祇を祀った古い神社で、杜の無い磐座(いわくら)の祭壇で有名です。
 対馬北西部、上県町佐護湊(かみあがたさごみなと)の環境省対馬野生生物保護センターの道沿いにあります。