御岳・平岳

ツシマヤマネコ生息地 御岳・平岳(みたけ・ひらたけ)

2021/04/07

ツシマヤマネコ生息地 御岳・平岳について

 御岳・平岳は、ツシマヤマネコの生息地でもあり、かつては巨大なキツツキの仲間「キタタキ」が生息するなど、南部の山々とは異なる独自の生物分布をもち、国天然記念物・特定動物生息地保護林などに指定されています。モミの巨木・倒木が目立つ林内では、巨木・小動物・菌類による生と死、循環と再生のドラマが繰り広げられており、神秘的な原生林の姿を体感できます。
 標高479m。登山口~御岳山頂の単純往復の場合、コースタイム(休憩除く)は、往路60分、復路50分。平岳一等三角点まで往復を追加する場合は+90分。御岳~平岳縦走(御岳登山口~御岳山頂~平岳一等三角点~平岳登山口)は2時間40分。
 登山口~御岳山頂までは片道1.5km。

コース所要時間

観光情報館ふれあい処つしま((一社)対馬観光物産協会)
↓ 車で90分
御岳公園(トイレあり)
↓ 車で5分
御岳登山口(駐車場)
↓ 徒歩で60分 
御岳山頂
↓ 徒歩で50分
平岳一等三角点
↓ 徒歩で90分
御岳登山口
↓ 車で90分
観光情報館ふれあい処つしま((一社)対馬観光物産協会)

※(一社)対馬観光物産協会は、長崎県対馬市厳原町今屋敷672番地1 観光情報館ふれあい処つしま にあり、厳原港から車で3分、対馬空港からは車で20分です。

基本情報

登山口

 御岳登山口は対馬空港からは1時間15分(約50km)、厳原港からは1時間30分(約60km)、北部の比田勝港からは40分(23.5km)。ルートの詳細は下記YAMAPのページをご覧ください。ルート図、写真が掲載されています。

YAMAP

御岳(みたけ)・平岳(ひらたけ) ~ツシマヤマネコが棲むモミの原生林を歩く~ / エヌの世界さんの平岳(長崎県対馬市上県町佐護)雄岳(長崎県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ

駐車場

 御岳登山口には乗用車が7~8台程度、平岳登山口には2台程度が駐車できるスペースがあります。

トイレ

 御岳公園(国道382号線沿い。御岳登山口まで1.7km)にトイレがあります。
 平岳登山口周辺にはトイレはありません。

難易度

 対馬の山のなかでは歩行距離が短い(片道約1.5km)のですが、急傾斜の階段が多く設置されています。

コース紹介

観光情報館ふれあい処つしま

 観光情報の提供、パンフレットの請求はこちらまで。
【所在地】 〒817-0021
長崎県対馬市厳原町今屋敷672番地1
観光情報館ふれあい処つしま(一般社団法人 対馬観光物産協会)
【電話】 0920-52-1566
【アクセス】 厳原港から車で3分(徒歩10分)、対馬空港から車で20分。

(1)御岳公園

 ふれあい処つしまあるいは厳原港から国道382号線を1時間30分・約60km、対馬空港からは1時間15分・約50km北上すると右手に御岳公園が見えます(比田勝港からは40分・23.5km南下)。トイレ・駐車場・近くに自動販売機などがあり、御岳登山の起点となります。

登山口への道

 御岳公園から国道を100mほど北上し、右手の御岳登山口への道路に入ります。

キタタキ棲息の跡

 御岳には大正時代まで日本最大級のキツツキである「キタタキ」が棲息していましたが、その後50年間確認されず、絶滅したと考えられています。

(2)御岳登山口

 国道から右折して1.5kmほど進むと、乗用車が数台駐車できるスペースがあります。鳥居が目印。

ヒトリシズカ

 御岳で顕著に見られる春の花ヒトリシズカ。

急傾斜

 登山口から御岳山頂までは1.5kmしかありませんが、序盤から急傾斜・階段が続きます。

階段

 擬木の階段が続きます。

モミの原生林へ

 標高が300mを超えるあたりから、モミの巨木が姿を現します。

(3)御岳特定動物生息地保護林

 御岳にはツシマヤマネコが生息しており、保護林に指定されています。貴重な鳥類の繁殖地でもあります。

モミの巨木

 御岳は、ツシマヤマネコ・モミ・鳥類など、島内の他の森と異なる独自の生物分布が魅力です。

モミボックリ

 モミの球果、いわゆるモミボックリが落ちていることも。

ナンザンスミレ

 日本では対馬だけに自生するナンザンスミレ。全島に分布していますが、いざ探そうとするとなかなか見つからなかったりします。

(4)島大国魂神社

 標高390m地点に社殿があり、モミの巨樹がそびえ、森厳な雰囲気が漂います。

倒木

 島内の他の山と同様、岩がちで土壌の層が薄いためか、根が横に張っています。

(5)御岳・平岳分岐点

 分岐点を左に進むと御岳、右に進むと平岳です。

モミの倒木

 人と比較すると、その大きさが際立ちます。

山頂近くの鳥居

 山自体が信仰の対象であり、山頂近くにはいくつもの鳥居が並んでいます。

(6)山頂の磐座(いわくら)

 御岳は古くから山岳信仰の対象でした。山頂には磐座(神が降りてくるとされた依り代)があります。

石像

 修験道の神である蔵王権現ほかいくつもの石像が祭られています。

ヤマナシ

 対馬ではコッポウナシと呼ばれます。コッポウは、対馬の方言で頑固者のこと。

対馬南部を望む

 空気が澄めば、はるか彼方に白嶽などの南部の山々が見えることも。

平岳登山道の雰囲気1

 御岳・平岳分岐点に戻り、平岳側に進みます。平岳は文字通り、平坦な尾根が長く延びています。時間がない場合は、そのまま登山口に戻ります。

平岳登山道の雰囲気2

 苔むした登山道がよい雰囲気です。

(7)平岳一等三角点

 平岳には、対馬に3ヶ所しかない一等三角点があります。ほかには厳原町の有明山、豊玉の観音岳です。御岳登山口に駐車している場合はここから引き返し、御岳・平岳分岐点から御岳登山口へ戻ります。

(8)一等三角点近くの急傾斜

 平岳登山口に向かう場合、平岳一等三角点から少し戻り、ロープに従って急傾斜を下ります。

(9)伐採跡からの展望

 急傾斜を下り、ベンチの前からさらに少し高度を下げると、国土調査による伐採跡に着きます。千俵蒔山と風車(風力発電)が正面に見え、気象条件がよければ朝鮮半島を望むことができます。

(10)迷いやすい場所

 平岳登山口に向かう途中、迷いやすい場所があります。右下の看板方向が正解で、左上の木の根の方向に直進するとルートを外れてしまいます。

(11)平岳登山口

 平岳登山口は、旧道ドウ坂にあります。ここから御岳公園までは舗装道路を2.6km、御岳登山口まではさらに1.6kmです。

帰路

 御岳下山後も、長時間車を運転する必要があります。余力を残して下山しましょう。

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