独断と偏見の神社セレクション
※本ページは、エヌの世界ブログをページ化したものです。
独断と偏見の対馬の神社セレクション(ブログ2013.01.27)
こんにちは、エヌです。
さて、対馬は神社だらけの神々の島です。
で、数が多すぎて紹介しきれないので、(個人的に)対馬の神社セレクションをつくってみました。
ちなみに、神々だらけ、神社だらけの根拠は以下の通り。
- 平安時代に「延喜式(えんぎしき)」に記された格の高い神社(式内社)が29社(九州全体で98社中、最多)
- 江戸時代に対馬藩三代藩主・宗 義真(そう よしざね)が調査した神社・祠の数が455社。
- 当協会で写真撮影・調査を行った神社が200社超(おもに漁村で祭られる恵比須や金比羅は数が多すぎて無視しました)。
では、神社セレクションを~。
大自然の力が満ち溢れるウルトラ・スピリチュアル神社
山岳崇拝の総社 白嶽(しらたけ)神社
「え? 神社じゃなくて、山岳やん」とおっしゃる方も多いと思いますが、実は神社の「建物」が重視されるようになったのは、6世紀の仏教伝来以降と言われています。
もともとは社殿はなく、神々が降臨しやすい「場」が大切でした。
先ほどの白嶽の写真の下部に、実はこのような洞窟と鳥居があります。
こちらが白嶽の雌岳(めだけ。女岳)で、
通常登る雄岳(おだけ)は実は、キノコのような形をしています。
巨大な岩塊なので普通は気付きませんが、女性と男性、になっているわけです。
大自然のデザインというのは時に神秘的で、古代人が「霊峰」と感じたのもわかるような気がしませんか?
山頂部には大陸系植物が自生し、その珍しい植生により国の天然記念物に指定されています。
ちなみに、ふもとの対馬市美津島町洲藻(みつしままち・すも)にも白嶽神社があります。
ご神体でもある白嶽は聖域でみだりには登れず、また体力や天候の関係もあり、地元の方は通常はこちらに参拝し、遥拝(ようはい。遠くから祈る)するわけです。
神秘の原始林 多久頭魂(たくずだま)神社
こちらも本来は社殿がなく、原始林・龍良山(たてらやま)がご神体。
山中には、対馬独自の天道信仰の聖地のひとつ「裏八丁郭(八町角)」、いわゆる「オソロシドコロ」があります(-_-;)
強いタブーの地として伐採・開発を免れてきたため、純度の高い照葉樹の森が残り、国の天然記念物に指定されています。
多久頭魂神社は厳原町豆酘(いづはらまち・つつ)の集落内にあります。
白嶽同様、山自体が聖地で近寄れなかったので、ここから遥拝しました。
「山頂」は天の神々の世界に近く、「岬」は海の神々の世界に近い「場」です。
無限の大海原 胡禄(ころく)神社
上対馬町琴(かみつしままち・きん)の琴崎には、海のダイナミズムを感じられる胡禄神社(琴崎大明神)があります。
いかにも、海底から海神が登ってきそうな雰囲気。
船で海から参拝するか、琴の集落奥にある胡禄御子神社の拝殿横から800mほど山道を歩かないとたどり着けません。
※情報を追加しました(ブログ2016.01.05)↓
ちなみに祭神はワタツミ系の海神ですが、対馬での伝承では、顔に貝類などが付着して醜い姿をしているとされる、大海原に潜む海の神「磯良」(いそら)ともされています。
さて、神社の「建物はおまけ」という説、納得していただけましたでしょうか?
パワースポットブーム以降、「神社」(建物)ばかりが注目されがちですが、実はその先にある、古くからの大自然そのものが信仰の対象だったのです。
対馬は古代から、そんな雄大な自然が満ち溢れる、荒々しく、激しく、美しい島だったのです。
山、海、ときて、次は地下世界です。
以前ブログで紹介しましたが、対馬は7世紀から日本最古の鉱山(銀山)があった場所で、古代鉱山の跡とされる坑道も残っています。
地下鉱山の世界 銀山上(ぎんざんじょう)神社/銀山神社
厳原町阿連(あれ)の古代坑。
厳原町樫根(かしね)の古代坑。
地下世界は出水や落盤など、海同様に危険に満ちた世界で、安全祈願・神頼みをしなければ仕事ができません。
そんな銀山の作業の無事を祈るための神社もあります。
厳原町久根田舎(いづはらまち・くねいなか)の「銀山上神社」です。
ここと、樫根(かしね)の銀山神社の祭神は、「諸黒神(もろくろがみ)」。
通常、鉱山の神様は「金山彦」なのですが、「諸黒神」は対馬固有の神様のようで、ネットで調べても何も出てきません。
「漆黒の闇」を意味する、何ともドスのきいた名前です(-_-;)
7世紀の対馬銀山で誕生したか、採掘の技術者集団が祭っていた神様なんでしょうね。
地下世界の次は、天空。
天空と流星の伝説 明嶽神社
先日のブログでも紹介しましたが、豊玉町銘(とよたままち・めい)の明嶽神社のご神体は、「星」(隕石)と言われています。
また、浅茅湾北西部の豊玉町唐洲(とよたままち・からす)の元嶋神社(妙見神社)の祭神は、現在はスサノオ、元は「北辰妙見」=「北極星」、あるいは天の中心を意味する「アメノミナカヌシ」です。
北極星は夜間航海の目印なので、古代より大陸と日本本土を往来していた対馬の船人たちは、北極星や北斗七星を信仰していたのかもしれません。
古代の対馬の人々は、天空・大海原・地下、そして日々の生活のなかに神々を感じ、ともに生きていたのです。
以上、目に見える神社建築の向こう側にある、目に見えない大自然と神々の世界の物語でした<(_ _)>
対馬の神社のジャンルとしては、
- 物語性の高い神社
- 無人島に宿る神々
- 格の高い神様が宿る神社
- かわいい神社
- とんでもない何かが潜んでいる(かもしれない)神社
- 何かが間違ってる神社
- こわい神社
- 探すのに苦労した神社
などがあります。
私の個人的な分類ですが(^_^;)
「かわいい神社」の代表は、対馬市上県町御園(かみあがたまち・みそ)の森乃神社・恵比須神社。
屋根瓦や鳥居まで完備した、超小型の双子の神社です。
神紋もこんな感じ。かわいいでしょ?