龍良山

縄文の森の生き残り・龍良山(たてらさん)

2021/04/07

縄文の森の生き残り・龍良山について

 龍良山は、対馬独自の天道信仰の聖地として立ち入りが禁じられ、千古斧の入ったことのない原始の照葉樹林として、国の天然記念物に指定されています。森の平均樹齢は200年で、スダジイ・イスノキなどが他の地域では見ることのできない巨大な姿を見せています。
 低域部は雰囲気の良い照葉樹木原始林で、1時間程度の散策を楽しめます。
 標高558m、登山口~山頂までは片道2.8km。コースタイム(休憩除く)は、往路90分、復路75分。

コース所要時間

観光情報館ふれあい処つしま((一社)対馬観光物産協会)
↓ 車で20分
龍良山麓自然公園センター(駐車場)
↓ 徒歩で7分
ツシマヤマネコ野生順化ステーション前
↓ 徒歩で7分
龍良山登山口
↓ 徒歩で90分
龍良山山頂
↓ 徒歩で75分
龍良山登山口
↓ 徒歩で7分
ツシマヤマネコ野生順化ステーション前
↓ 徒歩で7分
龍良山麓自然公園センター(駐車場)
↓ 車で20分
観光情報館ふれあい処つしま((一社)対馬観光物産協会)

※(一社)対馬観光物産協会は、長崎県対馬市厳原町今屋敷672番地1 観光情報館ふれあい処つしま にあり、厳原港から車で3分、対馬空港からは車で20分です。

基本情報

登山口

 厳原港から車で20分+徒歩15分、対馬空港から35分+徒歩15分。ルートの詳細は下記YAMAPのページをご覧ください。ルート図、写真が掲載されています。

YAMAP

龍良山(たてらやま) ~縄文の森の生き残り・山頂往復5時間コース~ / エヌの世界さんの竜良山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

駐車場

 龍良山のふもとに広がる鮎もどし自然公園内に、駐車場・トイレが数ヶ所あります。登山口最寄りの駐車場・トイレは、龍良山麓自然公園センター(ビジターセンター)です。

トイレ

 龍良山のふもとに広がる鮎もどし自然公園内に、駐車場・トイレが数ヶ所あります。登山口最寄りの駐車場・トイレは、龍良山麓自然公園センター(ビジターセンター)です。

難易度

 低域は雰囲気のよい照葉樹原始林ですが、登山道が明瞭でなく、迷いやすい状態です。YAMAPなどの登山アプリの利用をお勧めします。龍良山・木斛山分岐点から龍良山山頂までは岩がちな急傾斜の尾根道になります。

動画 龍良山原始林

対馬観光映像集~自然編~ (MOTTO! TSUSHIMA NATURE)

※画像をクリックすると、龍良山トレッキングの映像(4:20~)が流れます。

コース紹介

観光情報館ふれあい処つしま

 観光情報の提供、パンフレットの請求はこちらまで。
【所在地】 〒817-0021
長崎県対馬市厳原町今屋敷672番地1
観光情報館ふれあい処つしま(一般社団法人 対馬観光物産協会)
【電話】 0920-52-1566
【アクセス】 厳原港から車で3分(徒歩10分)、対馬空港から車で20分。

(1)県道192号線龍良山登山入口

 ふれあい処つしまあるいは厳原港から県道24号線を南下します。内山峠手前の四叉路(安神、内山峠、内山・久和の看板あり)を内山・久和看板方面へ、内山トンネルを通ってしばらく進むと、龍良山登山入口の案内板があるので左折します。

(2)龍良山麓自然公園センター

 龍良山のふもとには鮎もどし自然公園が広がり、駐車場・自然公園センターがあります。センターでは対馬の植生や地質、龍良山について知ることができます。

遊歩道

 自然公園センターの先には、環境省のツシマヤマネコ野生順化ステーションがあり、そちらに進みます。

(3)ツシマヤマネコ野生順化ステーション

 ヤマネコの野生復帰にむけて調査・研究が行われていますが、一般公開はされていません。施設の玄関の前から森に向かって歩くと、登山道に入ります。

(4)龍良山登山口

 順化ステーションから林道を600mほど歩くと、登山口に着きます。

低域の雰囲気1

 龍良山低域は、シイやカシなどの照葉樹の原始林です。

低域の雰囲気2

 倒木は昆虫や菌類などによって分解され、土に還り、新たな生命の源となります。また巨木が占有していた空間が消失し、日光が差しこみ、新たな生存競争が始まります。

板根

 土壌が薄く、岩がちな地勢のためか、板根が発達した巨樹がよく見られます。

裏八丁角

 龍良山は古来から神山とされ、謹厳なタブーが課せられていました。南麓の八丁角および北麓の裏八丁角と呼ばれる石積みは結界で、オソロシドコロとも称されます。

(5)スダジイの巨木

 龍良山のシンボルツリーであるスダジイの巨木です。人の手が入らない龍良山では、ごく普通のシイの木がありえない大きさに生長しています。

ギンリョウソウ

 白い妖精のような腐生植物ギンリョウソウです。

ムサシアブミ

 低域は鬱蒼としており、サトイモ科のムサシアブミなどちょっと不気味な植物がよく似合います。

(6)ヒノキの植林地

 高度が上がっていくと、登山道は一度原始林から逸れてヒノキの植林地に入ります。原始の森と人工の森の違いを体感できます。

登山道

 植林地を抜けると、登山道に岩が目立つようになり、アカガシが増え始めます。

(7)龍良山・木槲山分岐点

 左が目的地・龍良山、右は木槲山方面です。

(8)急傾斜の岩場

 分岐点を過ぎると、無数の岩が露出した急傾斜になります。

山頂手前の眺望

 山頂付近は岩盤が露出し、展望が開けます。眼下には鮎もどし自然公園や対馬海峡西水道、正面には対馬最高峰・矢立山がそびえますが、龍良山以外は激しく伐採・植林されています。

(9)龍良山山頂

 眼下に、低域から山頂まで続くブロッコリー状の原始林を一望できます。

二等三角点

 龍良山の三角点は二等。かつて防人の時代には烽火が設置されていたそうです。

帰路

 龍良山は、縄文時代に西日本一帯に広がっていた照葉樹原始林の貴重な生き残りです。里山や植林など、人の手が入った森との圧倒的な違いを体感できます。

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