対馬楽講座・歴史編

「対馬の式内社をめぐる」について

2021/07/13対馬神社群

 あけましておめでとうございます。

 昨年中はご愛顧のほど誠にありがとうございました。

 本年もよろしくお願い申し上げます。

 あらためまして、観光担当Nです。

 初詣といえば神社ということで、(舌の根も乾かないうちに)新シリーズ「対馬の式内社をめぐる」を始めます。

 なぜ神社なのかと言いますと、今年2012年は古事記が完成して1300年目の節目の年で、奈良・出雲など各地で古事記や日本書紀、万葉集などを絡めた観光PRが計画されています。

 昨年はNHK「坂の上の雲」に便乗しましたが、今年は「古事記」に便乗して、協会の予算を有効に使っていこうかと(殴)

 さて、神社についてのお話ですが、「式内社」(しきないしゃ)という言葉をご存知でしょうか?

 延長5年(西暦927年)にまとめられた「延喜式」(えんぎしき)という書物の9・10巻に、全国の官社(当時の朝廷に認められた神社)の一覧が記載されているんですが、およそ1000年前から朝廷に重視されていた神社ということで、現在でも神社の「格」を示す一種の物差しになっています。
(延喜式に記載されている神社=延喜式内社=式内社です)

 式内社は全国で2861社あり、そこに鎮座する神様の数は3132座になります。ちなみに、神社の数より神様の数が多いのは、福岡県の宗像(むなかた)大社のように、1つの神社に3座(3姉妹)の神々が鎮座する場合などがあるためです。

 九州(西海道)には、98の式内社があり、107座の神々が鎮座しています。

 さて、ここで問題です。

 九州で一番式内社が多い地域は、どこでしょう?

 高千穂がある宮崎?鹿児島?

 実は、対馬なのです。

【九州の式内社数】 98社/107座

1位 対馬 29社/29座
2位 壱岐 24社/24座
3位 筑前(福岡県西部) 11社/19座

 宮崎・鹿児島(5位大隅・7位日向・11位(最下位)薩摩)を合計しても11社/11座。

 ちなみに、式内社のうち、特に霊験あらたかとされる「名神大社」は、九州30社/38座中、

1位 筑前 8社/16座
2位 壱岐 7社/7座
3位 対馬 6社/6座

 で、宮崎・鹿児島(大隅1社/1座、日向0社、薩摩0社)です。

 式内社のうち、対馬・壱岐に九州の半分、筑前を加えると3分の2、名神大社も同様に筑前・対馬・壱岐に集中しています。

和多都美神社

和多都美(わたつみ)神社(対馬市豊玉町仁位)
※名神大社「和多都美神社」または「和多都美御子神社」に比定

 なぜ、対馬・壱岐にこれほどの数の神々が鎮座しているのでしょうか?

 なぜ1000年前の朝廷が辺境の島をそれほど重視していたのでしょうか?

 この式内社の北部九州への集中は何を意味しているのでしょうか?

 対馬の神社を紹介しながら、その謎を(個人的な見解、というか独断と偏見を交えながら)解いていきたいと思います。

 ちなみに、対馬の名神大社6社は、

【上県郡】

和多都美(わたつみ)神社 → 豊玉町仁位の和多都美神社
和多都美御子(わたつみみこ)神社 → 峰町木坂の海神神社

【下県郡】

高御魂(たかみむすび)神社 → 厳原町豆酘の多久頭魂神社内
和多都美神社 → 厳原町中村の八幡宮
太祝詞(ふとのりと)神社 → 美津島町加志の同名神社
住吉神社 → 美津島町鶏知の同名神社

 です。高御魂神社と太祝詞神社を除く4社は、現在のどの神社に同定するのか各説があります。

城山にて

 写真が少なくて寂しいので、昨日1月3日にちびっ子登山隊を連れて城山(じょうやま)に登ったときの写真を・・・。

 若干一名バテていますが・・・。

 今年もよろしくお願いいたします<(_ _)>