対馬の昆虫すごいぜ! 執念のクワガタ採集記について
こんにちは、夏休みも目前に迫り、また香川照之さんの人気番組「昆虫すごいぜ!」(NHK-Eテレ)の影響もあるのか、昆虫採集のお問い合わせが増えております。
「クワガタのビッグウェーブが来るぞ!!」
と第六感が叫んだので、(スタッフの呆れ顔を無視しながら)準備を進めていたのですが、このタイミングで埼玉のYさんご家族から「子どもと一緒に対馬でクワガタ採りをしたい」というご相談があり、クワガタを探し求める日々の幕が開けました。
あ、局長Nです。
(以下、昆虫が苦手な人は閲覧注意です)
もともと対馬は、
ツシマカブリモドキ(金属光沢が美しい、国内唯一のカブリモドキ類)や
(MonstersProShop 平坂 寛さん)
ヒメダイコクコガネ(大陸系種。フンコロガシの仲間)の存在などで、一部の昆虫愛好家の熱視線を集めてきましたが、最近は、ツシマヒラタクワガタ(ヒラタ~の国内最大種)が「和製」パラワンオオヒラタクワガタ(世界最大種)などと称され、一般的な昆虫図鑑でも紹介されているため、虫好きのお子さん方の関心を惹いているようです。
で!
7/10(水)、住居近く(美津島町)の樹木に、バナナ(バナナ・焼酎・ドライイーストなどを混ぜて発酵させたもの)を仕掛けてみました。
【結果】 → ガ、カナブン、ススメバチ (-_-;)
こりゃいかん!(Yさん来島まで、あと3日!)
・・・ということで、Yさんご家族が宿泊する対馬グランドホテルの許可を得てバナナを設置し、その流れで、過去にクワガタを拾ったことがあるレンタルショップ・ゲオ(の照明下)に行ってみたら・・・、あっさりゲット(-_-;)
対馬にはツシマヒラタクワガタとチョウセンヒラタクワガタが生息しており、大型のツシマ~の方が優勢で数も多いようです。
6センチくらいになると明らかにツシマ~だと分かるのですが、4センチくらいだとなかなか見わけが難しいですね。
7/12(金)
さて、意識が昆虫に集中しているのか、虫ばかり見えてきます(-_-;)
職場の床にいたミヤマカラスアゲハ?
この日は、7/14(日)~15(月)に実施する白嶽ツアーの下見だったのですが、気候にも恵まれ、絶景でした。
下山時に、
オオヤマカワゲラ?や
ウバタマムシ?を発見。
ハンミョウ(斑猫)もいました。
対馬でトレッキングをしているとよく見かけるのですが、「昆虫すごいぜ!」では憧れの昆虫として扱われています。
インターネットで全回見ることができるので、どうぞ!
そして7/13(土)の夜、Yさんご家族(と私の家族)と合流し、ホテル周辺でクワガタを探しました。
子ども同士が同い年ということもあり、夜の昆虫採集の雰囲気自体は楽しかったのですが、バナナも空しく、カナブンしかいませんでした・・・(涙)
「対馬に来ればたくさん見られるかと思ったんですが、難しいもんですね~」とYさん。
翌日も昆虫採集に行きたい、とのことなので、嫁と子どもたちが同行することに。
念のため、兄(対馬野鳥の会)に「鳥見ついでにクワガタ探しといて~」と依頼(もう、家族総動員です)。
「クワガタいなかったなー」と話しながら帰っていると、自宅近くでヒメダイコクコガネを発見。
ここでかー(-_-;)
7/14(日) 白嶽ツアー当日は、山頂に立つ直前に濃霧が発生し、かつてないほど視界が真っ白!
山頂でツシマフトギスを発見。ごつい・・・。
嫁に電話をかけると、豊玉の公園で(Yさんが)ヒラタクワガタを4匹ゲットしたとのことで、ひと安心。
兄に電話すると、「ヒラタクワガタおったよー。カブトムシも多かったけど、要らんやろ?」
「いや!要ります!」
結局、Yさんがゲットしたクワガタ4匹、兄のカブトムシ3匹、クワガタ数匹がYさんの手元に。
こうして、Yさんのはじめての昆虫採集旅行と、クワガタに追われる私の日々は、幕を降ろした・・・はずだったのですが・・・。
【オチ】
7/16(月・祝日) 白嶽ツアーの2日目は、清水山(しみずやま)登山と万松院(ばんしょういん)散策です。
そこで、万松院の玉砂利の間に挟まっていたツシマヒラタクワガタを発見(でかっ!!) しかも2匹!
万(バン)ちゃん(7センチ)、松(ショウ)ちゃん(3.5センチ)と名付けられました。
観光情報館ふれあい処つしまの観光案内所で飼育、展示していますので、興味のある方はお声がけください。
「かわいい~。母性本能くすぐられるわ~」と言いながら、お約束のように指を挟まれるヤマピー。
「いててっ!取ってください!!」
「はい、動かないで―」(パシャッ)
「(写真撮ってじゃないわ!!)」
白嶽ツアーご一行様とYさんご家族は無事離島されましたが、結局、クワガタをゲットしたのが、ゲオの照明下、Yさん、兄、万松院ということで、夕方、家族で自然状態のクワガタを見に行くことにしました。
クワガタが好むクヌギ(樹木)が対馬には自生しないので、椎茸原木用に植林されたクヌギを探しながら歩いてみると・・・。
「おー、おるおる!!」
「カナブン! カブトムシ! ヒラタクワガタ! すげー!!」
「やっぱクヌギの樹液が一番なんやねー」
「ん? ・・・この樹・・・」
「アカメガシワやないかっ!」
(どこにでもある!)
【結論&ご注意】
クヌギ林がいいけど、アカメガシワなどでもOK。
樹液が出ていれば昼間でも観察できますが、夜の方が可能性大(スズメバチやツシママムシに注意)
個人の土地への立ち入りや、樹木の破壊(生木の樹皮を剥いだり、傷をつけるなど)はNG。
バナナの設置は、もともとカブトムシ・クワガタが多い場所じゃないと効果薄。片付けをお忘れなく。
クヌギは自生せず、島の南部にはシイ・カシ・ヤブツバキなどの照葉樹が多いので、浅茅湾周辺や北部のコナラ・アベマキなどの落葉樹の森がよいかも。
自然に親しみ、楽しみ、学ぶ夏を、できれば対馬で!
来るか?!
ビッグウェ---ブ!!(殴)