縄文の森・龍良山(たてらやま)と阿連の洞門について
こんにちは、体力まかせの3日間(龍良山登山と取材同行(厳原~比田勝間約90キロを2往復)が無事終わり、白嶽の紅葉状況調査という仕事なのか趣味なのかわからない休日を過ごした局長Nです。
さて、2012年11月7日(水)に、全国的にも珍しい照葉樹原始林(構成樹種はシイ・カシ・ヤブツバキなど)として国の天然記念物に指定されている「龍良山」に登ってきました。
目的は11月18日(日)に予定しているトレッキングイベントのルート確認で、参加者はトレッキング担当(厳原支部担当)Aと観光担当フナメンです。
龍良山のビジターセンターです。植生や地質などが展示されていますので、登山前におすすめ。
周辺は、ツシマヤマネコの馴化施設(人工繁殖されたツシマヤマネコを野生に帰すための施設)の建設工事中でした。
登山口にたどり着く前に、すでに原始林の雰囲気。
原始林をさまよう、冬は超地味な色彩になるAと、オールブラックスのフナメン。
(崖から落ちててもちゃんと発見されるよう、一部派手な色使いをおすすめします)
台風による倒木のため道が変わっており、裏八丁郭(うらはっちょうかく。天道信仰の聖地=オソロシドコロのひとつ)の前に出てしまいました(-_-;)
龍良山低域は明確な登山道がないので要注意。
下見に来て正解でした。
巨木をへし折り、原始林に穴を開けたラオウ(「北斗の拳」)のようなA。
・・・ではなく、台風で巨木が倒れたことにより上部に空間ができているのです。林冠ギャップといいます。
巨木の不在により新たに光が降り注ぎ、世代交代が促進されます。
龍良山のシンボル・ツリー「スダジイ」の巨木です。
あとはひたすら尾根分岐点を目指します。
尾根分岐点は標高370mで、山頂は558.5m。岩が露出する尾根道を、距離で600m、高度で200mほど登ります。
山頂にて。
「海もそんなに見えないし、地味ですね・・・」(フナメン)
「やろ?」(A)
同行した2人はまったく興味がなかったのですが、三角点は「二等」です!
山頂で記念撮影。
満面の笑みなんですが、プレートが逆さ。
致命的ミス(-_-;)
龍良山山頂からは、内山盆地や対馬最高峰の矢立山が見えるのですが、眺めとしてはイマイチ。
島の山の魅力は、海が見えることと、それによる体感高度だと再認識しました。
「うーん、龍良は低域の方が雰囲気がいいねえ」
龍良山トレッキングルート
>>Googleマップ
※航空写真でも原始林部分ははっきりわかります。
おまけ
厳原町阿連(いづはらまち・あれ)で、歴史・伝承ウォーキングを実施できないかと検討中・・・で、龍良山下山後に「阿連の洞門」の下見に行きました。
昭和初期に、小茂田(こもだ)と、当時「陸の孤島」であった阿連をつなぐために人工的に掘り切られた洞門です。
この時はちょうど満潮で、海岸に大きな波が打ち寄せ、洞門がなければ通行できないことがよくわかりました。
先人の苦労が偲ばれます。
海の彼方のどこかにある巨人の国から流れ着いた、お弁当箱に入れる醤油さしです。
巨人の子ども(推定身長4m)が使うものだと思われます。