対馬の5月の闇と光、ルシフェラーゼについて
こんにちは、最近、生き物が発する光に心を奪われているエヌです。
この5~6月は、生物発光にたくさん出逢いました。
シイノトモシビタケ
厳原町の山中で確認された光るキノコ「シイノトモシビタケ」を撮影しました。
明るいうちはまったく気づきませんが、夜8時を過ぎるとぼんやりと光り始めます。
ゲンジボタル
ホタルが光る理由が、「ルシフェラーゼ」という発光酵素。
あ! と思った方は神話(あるいはゲーム)オタクです。
そう! この幻想的な発光酵素は、もっとも美しい最高位の天使で、「明けの明星(みょうじょう)」「光をもたらす者」という異名をもち、のちに堕天した「ルシファー」にちなんで命名されているのです。
(そのセンスに拍手!)
例年、5月末から舞い始めますが、風がなく、月明かりがない(弱い)日の夜8時過ぎ~21時ころが観察に適しているようです。
フラッシュ光を放つツシマヒメボタルは梅雨時の22時過ぎに舞います。
漁火(いさりび)
職場からの帰り道、漁火(いさりび)が綺麗でした。
対馬近海は日本有数の好漁場で、夏が近づくと漁火も増えます。
かつては、集まったイカで船が持ち上がり、転覆するかと思うほどだったとか・・・。
ちなみに漁火は(ルシフェラーゼではなく)大型集魚灯ですが、最近は省エネ型のLEDのものも少しずつ普及しているようです。
光柱(こうちゅう)現象
ゲンジボタルを撮影していたら、夜空に「光柱現象」が・・・。
対馬の冬の風物詩なのですが、6月にも?!
梅雨はジメジメした憂鬱なイメージを持たれがちですが、今年は、光るキノコやホタルなど、ルシフェラーゼの幻想的な「光」にたくさん出逢い、この時期ならでは楽しみが増えました。
おまけ
アキマドボタル
9~10月にかけて、日本では対馬のみに生息する大陸系の「アキマドボタル」が舞います。
夜光虫(やこうちゅう)
アキマドボタルを観察しながら、たまたま撮影した豆酘崎(つつざき)の海が青く光っていました。
海水温が高くなる夏から秋にかけては、発光プランクトン「夜光虫」が光りますが、これもルシフェラーゼの力。
ちなみに夜光虫が群生した場合の昼の呼び名は「赤潮」です。
(ぜんぜん幻想的じゃないな!)
夏にも秋にも冬にも、その時期ならではの美しさ、楽しみ方があるようです。