ツシマヒラタクワガタ(ダーウィンが来た!放送記念)について
こんにちは、生き物番組の放送、別の生き物取材対応、自然観察イベント(2週連続!)実施のため、一夜漬けで昆虫図鑑を眺め(1つ覚えたら1つ忘れます・・・)、あちこちさまよっているエヌです。
さて、2023/7/16(日)には、昨年から取材協力を行っていた「ダーウィンが来た!」が放送予定で、興味を持った方も多いかと思いますので、対馬のクワガタについて紹介です。
「ダーウィンが来た! どれが最強?クワガタ列島大調査」
NHK 2023年7月16(日) 19:30-20:00
対馬の生き物・昆虫の分類について
九州本土と朝鮮半島の間に位置する対馬には、日本系・大陸系・固有種、南方系、北方系などに分類される生物が多く生息しています。
例えばヘビ類では、日本系のアオダイショウ、大陸系のアカマダラ(日本では対馬のみ)、固有種のツシママムシ(かつては亜種でしたが、現在は固有種)が分布していますが、昆虫は寿命が短く、変異サイクルも早いため、より種類が増える傾向があります。
対馬で見られる昆虫の分類
日本系(日本本土・対馬までは分布するが、朝鮮半島・大陸にはいない)
→クマゼミ、ゲンジボタルなど。
大陸系(朝鮮半島・大陸と対馬までは分布するが、対馬以外の日本本土にはいない)
→アキマドボタル、ヒメダイコクコガネ、カリプソテントウ、チョウセンケナガニイニイなど。
対馬特産種(対馬のみに分布)
→ツシマカブリモドキ、ツシマフトギス、ツシマトゲヒサゴゴミムシダマシ(舌噛みそう!)など。
南方系(台湾、琉球列島、九州などに分布)
→タイワンオオテントウダマシなど。
ツシマヒラタクワガタ
ツシマヒラタクワガタは、ヒラタクワガタの対馬亜種で、野生状態で84mmが記録され、日本最大(細身なので、日本最長というべきですかね?)とされています。
対馬で自然観察をしていると、コクワガタと並んでよく見かけ、ノコギリクワガタの方が珍しいくらいです。
とはいえ、夜行性なので、昼に探してもなかなか見つからず、そもそも餌となる樹液が出ている樹木を見つけるのも大変です。
で!
よく利用されるのがバナナトラップ。
熟れたバナナ・焼酎・砂糖・酢・ドライイーストなどを混ぜてジップロックに入れ、日光をあてて半日~1日ほど発酵させたもの。
(作り方はホームページ、YouTubeなどで検索してくださいね)
クワガタ・カブトムシが好む樹液風の強烈なにおいが出ます(笑)
クワガタがいそうな場所にセットするのが理想ですが、カブトムシ・クワガタは意外とよく飛翔し、対馬は森が深いので、適当な木にかけておくと寄ってきます。
(庭の柿の木に寄ってきたことも。ただ、杉・ヒノキなどの植林よりも、雑木林がよいと思います)
※カラス、ツシマテンなどがトラップごと持ち去るケースもあり、これらに見つかりにくい場所への設置も重要です。2023年はことごとくトラップが壊され、なかなか写真が撮れていません。
まれに昼にも観察できますが、基本的に夜行性(天敵である鳥、特にカラスを避けている?)なので、夜がオススメ。
ルールとしては、
- 私有地には立ち入らない、交通ルールを守る
- 帽子、長袖、長ズボン、長靴、ヘッドライト(両手が使えます)などの装備をする
- 夜間の観察が中心なので、転倒などのケガ、危険生物(マムシ、スズメバチ、ムカデなど)に気をつける
- トラップは責任をもって回収する(放置はマナー違反です)
そのほか、持続可能な自然観察・昆虫採集を楽しむために、
- むやみに採集しない(1匹だけ。あるいは写真撮影後、リリースなど)
- メスは残す(産卵するため)
- 樹皮を傷つけない、巣穴を壊さない
- 飼育する場合、最後まで面倒をみる(放虫による交雑、遺伝子汚染が問題化しています)
平坂寛さんYouTube
自然観察イベント
自分たちだけ観察するのは、ちょっと自信がない・・・という方は、まずは(一社)対馬観光物産協会主催の観察会へご参加を!
「なつやすみ こども自然観察会」(2023/7/22)
「スゴイチャケ!平坂寛と行く昆虫観察」(2023/7/30)
ツシマヒラタクワガタ記事まとめ
ツシマヒラタクワガタの情報をまとめようと思いましたが、毎年ブログで情報発信してたので、こちらのリンクを(笑)
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