竜宮の門 胡禄(ころく)神社

2021/04/07

胡禄神社

胡禄神社について

 胡禄神社は、対馬北東部の海岸・琴崎(きんざき)に鎮座する、古くから知られた有力な神社です。

 祭神は、イザナギの禊(みそぎ)の際に生まれたとされるワタツミ三神ですが、対馬では豊玉姫の子神とされる海神・磯良(イソラ)に関する物語や、3月3日に琴崎の海岸に出現した神が金色の小蛇に化身したので祭った、など様々な伝承があります。

 対馬には、船でしか参拝できない岬や小島に神社がある場合が多いのですが、胡禄神社も鳥居の彼方には壮大な水平線が広がり、これは四方を荒海に囲まれ、断崖絶壁ばかりの沿岸を航海する際の安全祈願と深く関わっているようです。

磯良の伝承

  • 琴崎の海底には竜宮の門があり、磯良は亀に乗って自由に出入りできる
  • 神功皇后の新羅征伐に際し、潜水して海底の碇を引き上げた
  • その際、船に空いた穴に大きなアワビを貼り付けて応急処置した

基本情報

名称

 胡禄(ころく)神社

所在地

 長崎県対馬市上対馬町琴1番地(琴崎の海岸部) >>Googleマップ

祭神

 ワタツミ三神(ソコツワタツミ=底津綿津見神・底津少童命、ナカツワタツミ=中津綿津見神・中津少童命、ウワツワタツミ=上津綿津見神・表津少童命)

 ※海神イソラ、金色の小蛇など

旧社格

 村社

祭日

 旧3月3日

式内社

 上県の名神大社「和多都美御子神社」の論社

その他

 琴の集落内にある「胡禄御子神社」(長崎県対馬市上対馬町琴字郷ノ浦3番地)と対になっています。
 胡禄神社と胡禄御子神社が入れ替わっているのではないか、という説もあります。

動画

胡禄神社

胡禄御子(ころくみこ)神社

コロク御子神社

スタート地点は、胡禄神社と対になっている、胡禄御子神社です。胡禄御子神社は琴の集落奥にあり、車はここまで。

コロク神社への遊歩道入口

 ちょっとわかりにくいですが、御子神社の社殿に向かって右側に、山中に続く遊歩道があります。
(写真左が御子神社の社殿、右が遊歩道入口)

遊歩道

 遊歩道はこんな雰囲気。たまに車両が入っているのか、車輪の跡が残っています。
 台風の後などは倒木・落ち枝に注意。

胡禄神社・琴崎灯台 分岐点

分岐点

 灯台と神社の分岐点には、看板があります。
 左に進むと胡禄神社(鎖がかけてありますが、車両の通行止め用なので徒歩であれば入ってOKとのこと)、右に進むと琴崎灯台です。

分岐点看板

 地域の人たちが遊歩道を改修したんですね。

遊歩道

 胡禄神社に向かうと、波の音が聞こえてきます。

胡禄神社

胡禄神社の拝殿・本殿

 胡禄神社の拝殿・本殿に到着。拝殿前で右を向くと・・・

コロク神社

 どーん!
 鳥居が海に面しており、船で参拝することしか考えていない、この潔いデザイン。

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 海そのものが神であることを感じさせる、荒々しい自然美。
 様々な伝承がここで生まれた理由がわかります。

水平線

 もうひとつの伝承を。
 その昔、琴崎の神様と黒島(美津島町)の神様がケンカして、琴崎様は岬にあった竹を投げつけ、黒島様は島にあった松を投げつけたので、琴崎には竹がなく、黒島には松がないそうです。

松の大木

 マツクイムシの影響でほとんど見ることができなくなった松の大木も残っています。

鯨拾得?

 昭和13年、「鯨為拾得神恩ニ謝ス」の文字が刻まれた石灯籠。
 近くに、鯨が漂着し、浦々が潤ったんでしょうね。

力石

 鳥居の近くに大きな丸い石がありました。豊玉町曽の神社で見た「力石(ちからいし)」に似ています。
 力石だったら、かつて若者たちが持ち上げて力試しをしたり、神社のお祭りの出し物だったのかも知れません。

狛犬(阿形)

 ちなみに狛犬・阿形(あぎょう。開口)はこちら、

狛犬(吽形)

 吽形(うんぎょう)はこんな感じ。

 対馬の神社は、雄大な海や原生林などの大自然と一体化しており(というか、自然自体が神なのですが)、神道の源流・原型を感じることができます。

 胡禄神社では、古代人が感じた海神=大海原がどういったものであったか、体感できると思います。

 ※800mとはいえ山歩きになりますので、登山アプリ「YAMAP」などのご利用をおすすめします。

胡禄神社(ころくじんじゃ) ~海神の世界へ!~ / エヌの世界さんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

琴崎灯台

琴崎灯台

 ちなみに琴崎灯台はこんな感じ。小さくてかわいいです。

 そのほか、琴の大銀杏(イチョウ)、茂木浜(もぎはま)海水浴場などもおすすめです。