万松院

三具足(みつぐそく)の謎と万松院(ばんしょういん)まつりについて

2021/07/13対馬の歴史

 こんにちは、告知ブログの書き過ぎで手足の震えが止まらない局長Nです(嘘ですよっ)

 さて、9月8~9日に、国内旅程管理者(いわゆる添乗員)の現地研修で、栃木県の日光東照宮と大谷資料館に行きました。

日光東照宮

 日光東照宮は、お江戸をつくった天下人・徳川家康公を祭神(東照大権現)として創建され、三代・家光公により整備された神社です。

 実は東照宮には、対馬・宗家の菩提寺・万松院にある三具足(燭台、香炉、花瓶の三点がセットになった仏具。朝鮮国王から贈られたもの)と同じものがあると聞き、以前から気になっておりました。

対馬の三具足

(万松院の三具足)

 んで!

 東照宮の最高所、かつては将軍しか参拝を許されなかった家康公の御宝塔(墓所)に登ってみると・・・

東照宮の三具足

(東照宮の三具足)

 ありました(汗)

東照宮の説明板

 これは、1643年、第5回目の朝鮮通信使(目的は家綱誕生祝賀、日光東照宮落成祝賀)により奉納されたものらしいのですが、説明板には朝鮮国王から贈られたという記述はありませんでした。

 さらに調べると、1812年(第12回目=最後の通信使が対馬に来島した翌年)の火災で東照宮の三具足は焼失し、日本で造り直した、とのこと。

 この火災では、東照宮のシンボル・陽明門の後水尾天皇の勅額なども燃えてしまい、筆跡を探すなど大変な騒ぎになったようですが、三具足を造りなおす際にも、万松院のものがモデルになったのかもしれません。

 対馬の万松院にはもともと三具足が3つ(3セット)あったらしいのですが、先の大戦の金属供出で2つが失われ、一番小さかった1つのみが残されています。

 ということは?

 朝鮮国王から贈られたオリジナルの三具足は、万松院のものだけということになるのでしょうか?

 万松院を訪問する際には、そのあたりも想像しながら三具足を見ていただくと、より楽しめると思います。

徳川将軍家の大位牌

 ちなみに万松院には、対馬の東照宮で祭られていた徳川将軍家の金箔の大位牌も安置されています。

 幕府を揺るがした一大外交スキャンダル「柳川一件」が解決したのち、徳川三代将軍・家光公より東照宮の建立を許され、2代秀忠公~13代家定公の位牌が公開されていますが、家康公の肖像画は非公開。

 >>柳川一件(Wikipedia)

 戦国の世が終わっても、対馬の激動の時代は続いていたのです。

 さて、そんな万松院で、年に1度の「万松院まつり」が開催されます!

万松院まつり

 約350基の石灯篭に火が灯された幻想的な雰囲気のなか、夜の万松院に参拝できるのはこの日だけ。

 山門前で提灯を受け取り、参拝を終えると「ぜんざい」が振舞われます。

日時: 2018年10月6日(土) 灯篭点灯17:30~
場所: 万松院 (長崎県対馬市厳原町西里192) >>Googleマップ
主催: 万松院史跡保存会 TEL 0920-52-0984
協賛: 一般社団法人 対馬観光物産協会 厳原部会 TEL 0920-52-1566
※当日は万松院への車の乗り入れはできません。対馬市役所の駐車場などをご利用ください。
※ぜんざいは数に限りがあります。