「お日照(おひでり)様」神事について
こんにちは、太陽の女神・お日照(オヒデリ)様の神事の日にも雨を降らせたレインマンこと局長Nです。
さて、2012年12月21日(金)、対馬市厳原町阿連(いづはらまち・あれ)に伝わる伝統神事「お日照様」に参加しましたので報告です。
「お日照様」神事のまとめ
- 阿連には式内社(平安時代に公に祭られた格の高い神社)の「雷命神社」があり、祭神は「雷命」(いかづちのみこと)。
- 雷命は、日本のほかの神々同様、旧暦の10月に出雲大社に旅立つため、阿連は一ヶ月間神様不在になる。(日本中から神々がいなくなるので「神無月」)
- 雷命のいない間、ふだんは山にいる「お日照様」に里に降りてもらい、村を守ってもらう。
- 雷命が阿連に帰ると、お日照様は旧11/1~11/8の間、一緒に暮らす。
- 旧11/9に、お日照様を元の山にお返しする「お日照様の元山(本山)送り」の神事が行われる。この時、お日照は懐妊していると考えられている。
- 雷命は竜神・水神・男神で、お日照様は太陽神・女神。この一連の神事は、雨と太陽がバランスよく結びつき、里に豊穣がもたらされる、という古い民俗世界を体現している。
さて、前置きは置いといて。
(今回の記事の写真はすべて、フナメンが撮影したものです)
14:00ころから、雷命神社で元山送りの神事が始まり、子どもたちを含む、地区の皆さんが参加します。
宮司さんは、以前、阿連の古代鉱山跡を案内していただいた橘 一門(たちばな かずかど)さん。
「あんたたちも参加せんね」と言われ、御幣をいただきました(^^;)
お日照様は、御幣を挿した一行の背中に乗って、元山へ向かいます。
「いざや、いざや、とのばらを、もとのお山にお送り申ーす!」
「おー!」(甲高く)
途中で靴を脱ぎ、裸足で冷たい川原を歩きます。
「足が凍るー!」
先回りした子どもたちが、一行を脅かす場所があります。
お約束どおり、びっくりしないといけません。
「わー!!」(子どもたち)「あー、びっくりした!!」(大人)
川辺にクスノキの巨木があり、そこでお日照様をお戻しする神事が行われます。
川原でロウソクを灯し、子どもたちからお年寄りまで、深く頭を垂れます。
宗教とか宗派とか関係ない、「祈り」の原型に触れたような気がしました。
さて、翌日は当協会主催の「阿連ウォーキングイベント」を実施し、楽しい1日となりました。
(どんだけ阿連押ししてるんだ、というつっこみ多し)