対馬の奇妙な生き物たちの発生状況について
こんにちは、協会の観光チーム・物産チームが博多駅イベント(9/11~9/13)で出払う中、事務所でお留守番をしている局長Nです。
この夏は対馬でカワウソが発見されて大騒ぎになりましたが、9月は対馬ならではの奇妙な動植物がいろいろ観察できる季節ですので、その発生状況をお知らせします。
まずは~
対馬の奇妙な生き物たち
アカハラダカ
ハトほどの大きさの小型のタカで、越冬のため9月に対馬上空を南下していきます。
多い年には9月1ヶ月で10万羽を超え、1日に1万羽以上が観察されることも。
天気が崩れると対馬で羽根を休め、翌日晴天になると上昇気流に乗って一気に渡ります。
おととい(9/11)は強風・強雨、昨日は晴天だったため、昨日1日で1万5千羽ほど渡ったそうです。
今朝も、対馬野鳥の会の皆さんが楽しそうに観察していました(^^)
例年9月中旬にピークを迎え、9/17(日)に協会主催の観察会を予定していますが、台風が・・・(-_-;)
>>内山峠アカハラダカ観察所(長崎県対馬市厳原町内山)(Googleマップ)
アキマドボタル
9月下旬から10月中旬ころにかけて発生し、日本では対馬にのみ生息する大陸系の「秋のホタル」です。
陸生でやぶ地や畑の上などを舞い、ゲンジボタルほど群れでは行動しませんが、大型なので見ごたえがあります。
昨年はじめて対馬南端の豆酘崎(つつざき)で発生しているのが確認されました。星空・漁火・大海原とともに秋にホタルが観察できるという抜群のロケーションです。
昨夜、豆酘崎でメス数匹と幼虫30匹ほどが確認できました。オスは確認できませんでしたが、あと1週間もすれば、見られるかなあと思います。
現地は、豆酘崎灯台下暗しで真っ暗です。ライト必須。また、マムシなどもいるかもしれないので、ご注意ください。
メス(2017/9/12撮影) 翅が退化して飛べませんが、お尻が発光します。
オスとメス (2009/10/4撮影) オスも大型で、ほぼ点灯したまま舞います。
>>豆酘崎(長崎県対馬市厳原町豆酘)(Googleマップ)
ダンギク
日本本土では稀ですが、対馬では普通に見ることができます。
城山(古代山城・金田城)の一の城戸の上などに群生します。
ムジナノカミソリ
宮崎県の自生地が消失し、環境省の野生絶滅種に指定されていますが、対馬では普通に見ることができます。
近縁種にキツネノカミソリ、オオキツネノカミソリがありますが、対馬のものはムジナのようです。
カワウソ
9/2に環境省の調査チームの調査が終了し、フンのDNA分析、種の特定を目指しています。
ツシマヤマネコ
対馬のシンボルですが、個体数の少なさから、島民でもなかなか見ることができません。
たまに道路に出てきたり、田んぼで遊んでいたりします。
NHKの「ダーウィンが来た! ~生きもの新伝説~」の10周年リクエスト特集では2位でした。
ちなみに1位はダイオウイカ(-_-;)
キタタキ
北海道のクマゲラと同サイズ、日本最大のキツツキ。
大正時代まで対馬北部の御岳に生息し、木をつつく(キツツキ)のではなく、木を叩く(キタタキ)ような音が森に響いていたとか。
50年以上生息確認ができず、絶滅種に指定されていますが、北朝鮮や38度線付近にまだ生息しており、間違えて渡ってくるかも。
カワウソもそうですが、何が出現するかわからないのが、対馬の自然の奥深さであり、面白いところであります。