対馬砲台群を歩く 「姫神山(ひめがみやま)砲台編」

2021/07/13

姫神山砲台

 こんにちは、対馬探検隊 要塞部(勝手に設立)部員その1こと観光担当Nです。

 当協会では、3年前から毎年テーマを決めて対馬の観光資源調査を行っています。

 平成20年度はバードウォッチング、21年度はトレッキング、22年度は神社、23年度は対馬要塞ですが、今回は今年度の重点項目である対馬要塞の調査のため、姫神山砲台・上見坂堡塁・大崎山砲台を歩いてみました。

 「姫神山砲台」は、現在の対馬市美津島町緒方の姫神山山頂に位置し、対馬海峡東海岸に出没する敵の艦船を攻撃するため、28センチ榴弾砲が6門も装備された規模の大きな砲台です。

 緒方の集落に入り、正面の川沿いに右に進みます。四輪駆動の小型車なら砲台まで行けますが、脱輪や万一の対向車に気をつける必要があり、通常は緒方の集落で下車して歩きます。砲台までは徒歩で片道40分。

 砲台への道はこんな感じです。明治時代に、馬車を通すために統一の規格(幅・傾斜)で整備されており、現在では格好の登山道となっています。

 対馬東海岸・三浦湾の景観を楽しみながら・・・。

 砲台直前の広場です。左は砲台の門、右に弾薬庫が見えています。

 姫神山砲台の弾薬庫です。明治33~34年(1900~1901年)にかけて建造され、レンガと砂岩、セメントで構成されています。

 大きさはこれぐらい。

 濾過式の井戸です。砲台は山頂近くにあることが多いため、水の確保は重要課題でした。

 現在も水を湛えていますが、100年以上経過していて強度が不明なので、上には乗らないようにしましょう。

 新たに設置された砲弾(実弾)と案内板です。

 砲弾の重量は200キロ以上、射程は約8キロ。対馬の神社では、奉納された砲弾をよく見かけます。

 6門の砲座が直線状にならび、かなりの広さです。

 砲座跡。日露戦争時に主力兵器だった28センチ榴弾砲(りゅうだんほう)が据え付けられていました。

 榴弾砲は、重量砲弾をやや斜め上方に打ち上げ、弧を描いて落下させ、戦艦の甲板(装甲が薄い)を貫通・破壊する曲射タイプの砲台です。

 ほかには、水平に撃ち出す加農(カノン)砲というタイプの砲台もあります。

 観測所へ続く階段です。「天空の城ラピュタ」のロボット兵が降りてきそうな雰囲気でした。

 観測所です。砲座からは敵艦が見えないため、ここで観測し、方角・傾斜などの指示を出します。

 砲台というと暗いイメージがありますが、姫神山砲台はかなり奥行きがあり、開放的な雰囲気です。

 12月にはNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」の第3部(最終部)が放送されます。

 クライマックスは、28センチ榴弾砲が活躍した旅順などの要塞攻略戦と、対馬沖が舞台となった日本海海戦です。

 明治という時代の息吹を、映像でお楽しみください。

 砲台からの帰り、道端にムジナノカミソリが咲いていました。

 ヒガンバナ科キツネノカミソリの仲間で、「野生絶滅種」とされていますが、対馬ではよく見かけます。そのうち環境省の絶滅指定が変わるか、別種扱いになるかもしれません。

【交通アクセス】

厳原港→(国道382号線16km)→緒方入口→(市道2km)→緒方(下車)→(徒歩2.5km・約40分)→姫神山砲台
(対馬空港→緒方入口は国道382号線を約6km)

Googleマップ
>>厳原港~美津島町緒方

姫神山トレッキングルート

 バスは緒方入口まで1日7便のみなので、自家用車・レンタカー・タクシーが便利です。

 迷うことはあまりないと思いますが、軽いトレッキングになるので装備・飲料水などの準備はしっかりと。