
対馬楽検定&対馬狛犬めぐりバスツアー・レポート
こんにちは、2/15に「対馬楽検定」、そして昨日2/22に「対馬狛犬めぐりバスツアー」を終えたエヌです。
昨日もいろいろ発見があり、一緒に現場を歩くことの大切さを実感しました。
では、それぞれのレポートです!
目指せ対馬のスペシャリスト!「対馬楽検定」
今年度の「対馬楽講座」(野鳥・昆虫・植物・砲台・お城)の締めくくりとして、検定試験を実施しました。
当初、点数に応じて1~3級を想定していたのですが、厳原町の庄司さんがなんと100点満点を獲得し、急遽「特級」が誕生しました!

ガイドの公的資格としては、通訳案内士や山岳ガイドなどがありますが、対馬のまち歩きや低山案内で必要とされる知識(対馬の歴史など)や技能との整合性がイマイチです。
今後、対馬市エコツーリズム推進協議会による認定制度が始まると思いますが、市民やガイドさんが楽しみながら学び、向上心・意欲を高め合える場として、対馬楽検定を実施していきたい、と思っています。
石工の人生と島民の祈りにふれる「対馬狛犬めぐりツアー」
さて、もうひとつ!
ここ1年ほど、ひそかに調査を続けてきた新たな観光コンテンツ「対馬の狛犬」。
(いや、ブログとか講座で調査結果がダダ洩れでしたけどね)
新聞記事やSNS、「対馬狛犬図鑑」の発行(2月中)などを通してニッチ層へ発信していますが、今回、バスツアーを企画し、19名の皆様と一緒に狛犬旅に出発しました!

まずは「ふれあい処つしま」で狛犬ミニ講座(15分)を開催し、バスでフィールドへ。
個性的な狛犬と石工たち

美津島町加志の太祝詞神社にある、「石工 有江政雄」の狛犬(昭和13年)は、目鼻が大きく、手足が短く、ユーモラス。

美津島町を中心に作品が残されています。


厳原町阿連の雷命神社では、有江系狛犬と、瓦狛犬(破損、1体のみ)、焼き物の狛犬を見学しました。

元寇に散った宗助国公を軍神とする小茂田浜神社にも狛犬(昭和12年)があります。
胸筋を強調している割には護国系でもなさそう・・・。独特の造形です。

今回のハイライトのひとつが、厳原町椎根の豊和多都美神社。
鉄の橋を渡り、三・六・九のつく日は立入禁止という禁忌が刻まれた石板の先にあったのは・・・

尾道(広島県)が発祥とされる玉乗り型の狛犬でした。

なんと、参加者のお父さんが1歳の時に、祖父が奉納したもの、とのことでした。
子どもの健やかな成長を願う、祈りが込められていたんでしょうね。
ちなみに石工の名前は、「厳原町宮谷 吉木」でした。

厳原町久根田舎の銀山上神社には、アステカ風(?)の狛犬が奉納されています。
石工は「木村貫○郎」(〇=次?)。
石工名人・田崎亀次の足跡をめぐる
さて、今回の目的のひとつは、石工・田崎亀次の足跡と作風の変化を辿ることでした。
行程とは順不同になりますが、初期→晩期の作品を見ていきます。

美津島町根緒の高倉神社/和多都美神社には、石工「田崎亀次」の初期の狛犬(1921年)があるのですが、それとそっくりな「増田寿太郎」のものもあります。
(現在確認している亀次・最古の狛犬は、美津島町箕形の乙宮神社、1920年)

ほぼ見分けがつきませんね・・・。

6年後の1927年、美津島町鶏知の住吉神社では、作風がぐっと写実的になっています。

最終目的地は、厳原町豆酘(つつ)の金剛院。

亀次の晩年の狛犬(1940年)をじっくり鑑賞させていただきました。
前身を低く伏せ、腰を高く掲げ、いまにも飛び掛かろうとするような躍動的な姿は、出雲(島根県)が発祥とされる「構え型」のデザインです。
(仔獅子がかわいい)
神仏習合の聖地・金剛院

最終目的地・金剛院で、参加者の方が木鼻(きばな。柱から水平方向に突き出した部分)に、狛犬らしき彫刻を発見!

対馬でよく見るのは獏(バク。悪夢を食べるという霊獣)なのですが、これは狛犬あるいは獅子かもしれませんね。

金剛院は、神社とお寺、狛犬と石仏がごく自然に共存し、神仏習合とはこういうことだったんだろうなあ、と感じさせてくれる魅力的な場所でした。
参加者の皆様、丸一日お付き合いいただき、ありがとうございました!
おまけ

対馬の古代の占い・亀卜(きぼく)は、神功皇后の従者のひとり雷大臣(いかつおみ)が、豆酘→阿連→加志に伝えたとされます。
まったくの偶然ですが、今回、亀卜の聖地を辿ったり、伝教大師・最澄さんが遣唐使の帰路に漂着した阿連と、弘法大師・空海さんの伝承が残る豆酘に立ち寄るなど、不思議なつながりを感じました。
対馬狛犬めぐりバスツアー 行程
【日時】 2026年2月22日(日) 9:00~17:00(受付8:45~9:00)
【集合・解散】 観光情報館ふれあい処つしま(長崎県対馬市厳原町今屋敷672-1)
⛩ スケジュール
8:45 受付・観光情報館ふれあい処つしま
9:00 観光情報館ふれあい処つしま 概要説明
9:30 対馬朝鮮通信使歴史館・バス駐車場 バス乗車
9:50 ◎高倉神社(美津島町根緒) 田崎亀次・1921年の狛犬
10:30 ◎住吉神社( 〃 鶏知) 亀次・1927年の狛犬
11:25 ◎太祝詞神社( 〃 加志) 有江政雄の作品
12:00 ◎雷命神社(厳原町阿連) 有江風&備前焼
(昼食休憩) 小茂田浜神社
13:30 ◎豊和多都美神社( 〃 椎根) 玉乗り型
14:15 ◎銀山上神社( 〃 久根田舎) アステカ風(?)
15:40 ◎金剛院( 〃 豆酘) 亀次・1940年の狛犬
16:55 観光情報館ふれあい処つしま 解散


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