対馬の山々

対馬30kmロングトレッキングについて

2021/07/13トレッキング

 こんにちは、局長Nです。

 6月は週末にアウトドアイベントが3回も集中している「アウトドア月間」です。

  • 6/2(土)~3(日) FEEL THE BORDER(ザ・ノースフェイス対馬アウトドアツアー)
  • 6/16(土)~17(日) モンベルクラブフレンドフェア福岡
  • 6/23(土)~24(日) 夏山フェスタin福岡2018

 で、休みもないので、6/8(金)に1日休みをいただこうと思っていたところ、朝6時から城山のガイドの依頼があったので、そのまま「対馬30kmロングトレッキング」に挑戦しました。
 (何をどうしたらそんな発想になるんだ! と周囲は呆れ気味ですけどね)

対馬30kmロングトレッキングとは?

 国境の島・対馬は、面積の89%を山地が占める豊かな自然に恵まれており、トレッキングに適した山がいくつもあります。

 九州百名山の霊峰・白嶽(しらたけ)と万葉の峰・有明山(ありあけやま)は、上見坂(かみざか)を中継地とする16kmの縦走ルートがあり、今回はそれに城山を追加した約30kmのコースを歩いてみました。
(さらに、城山のふもとからシーカヤックで浅茅湾を縦断する13キロほどの海上ルートもあるのですが、それはまた別の話)

 今回は、その報告です。

ルートは、城山登山口~「観光情報館ふれあい処つしま」で、縦走した主な山々は、

  1. 国特別史跡および続日本100名城に指定されている古代山城・金田城(かなたのき)がある城山(じょうやま)
  2. 九州百名山の霊峰・白嶽(しらたけ)
  3. 万葉の峰・有明山(ありあけやま)
  4. 豊臣秀吉の朝鮮出兵に際して清水山城(しみずやまじょう。国史跡)が築かれた清水山

です。

ロングトレッキング地図

 城山から白嶽へは、通常は県道24号線を3キロほど歩くのですが、舗装道を歩くと足が痛くなるので、城山登山口と県道の中間地点から、白嶽がある洲藻(すも)集落へ抜ける旧軍道ルートを選びました。

城山(金田城)

 歩行距離約30km、スタート06:00~ゴール17:00(歩行時間10時間+休憩1時間)、累積標高上り下りそれぞれ約2000m、消費カロリーは5000kcalです。

城山登山口

 6:00 スタート地点は、対馬空港にほど近い?県道24号線城山入口から1.8kmほど山道を進んだ城山登山口。

城山山頂

 7:00 今回、山頂までは旅行会社クラブツーリズムのお二人のアテンドも兼ねていました。朝6時から登山って、熱心ですね(^^;)

城山砲台観測所

 山頂の城山砲台跡(観測所)からは、お二人を協会スタッフ・ヤンに任せて、単独行動開始。

山頂~海岸ルート

 山頂約270mから、海抜0mまで一気に下ります。

鋸割岩

 浅茅(あそう)湾内の名所、鋸割岩(のこわきいわ)を見下ろす珍しいアングル。

一ノ城戸

 7世紀に築かれた古代山城・金田城(かなたのき)の一ノ城戸(きど)の石塁。

大吉戸神社

 海辺にある、城山の鎮守・大吉戸(おおきど)神社に参拝し、海沿いの城戸巡りルートを進みます。

二ノ城戸

 迷いやすい二ノ城戸。写真中央上部への直進は誤り。右折してビングシ山に向かう山中ルートが正解。

ビングシ山

 迷いやすいビングシ山・防人住居跡。直進して沢沿いを下りれば三ノ城戸、右折して登っていけば軍道(登山道)にある東屋(あずまや)に着きます。
 左折して海沿いを三ノ城戸に向かうルートもありますが、シダが茂ってわかりにくいです。

三ノ城戸

 三ノ城戸。城戸のうち石材が最も大きく、圧巻。

三ノ城戸

 ここも迷いやすいのですが(こんなんばっかり)、看板の裏側の急傾斜の登り道が正解。

東南角石塁

 軍道に戻りました。後は、登山口を目指して下りるだけ。
 途中、ヤマボウシ、カギカズラ、ヒノキバヤドリギなどの珍しい植物や、黒瀬の景観が楽しめます。

洲藻への軍道分岐

 で、登山口に車を置いたまま、県道24号線城山入口に向かって900mほど歩くと洲藻集落に繋がる軍道への分岐点です。
 ここが今回のキモ。普段は行かない右方向へ進んでみると・・・。

洲藻軍道

 石積みが見えます。
 洲藻の海岸から続くこの道が、本来の軍道だったようです。

石の側溝

 軍道の証、石の側溝が残っています。

洲藻バス停近く

 洲藻のバス停近くに出ました。遠くに白嶽が見えます。

白嶽

白嶽登山者駐車場

 白嶽登山者用駐車場。
 このルートで唯一のトイレがあります。

登山道ショートカット

 登山口へ行く途中に川を渡ってショートカット。徒歩ならでは。

白嶽神社分岐点

 白嶽登山口から1.5km地点にある、白嶽神社の鳥居分岐点。山頂までは0.7km、上見坂(かみざか)までは約5km。

岩のテラス

 このルート一番の急傾斜が続きます。
 山頂近くの岩のテラスで一休み。

白嶽山頂

 白嶽山頂。絶景!!

上見坂~白嶽登山道

白嶽神社の鳥居分岐点まで戻り、上見坂方向へ。

伐採跡1

 鳥居分岐点から3kmほど進むと、伐採のため作業道が造成され、登山道が消滅していました。
 衝撃(゚Д゚;)

伐採跡2

 しばらくウロウロして、登山道を発見。

伐採3

 そこから1.5km進むと、また伐採。
 この作業道はそのまま進めばOK。

白嶽・上見坂側登山口

 県道44号線上にある、白嶽の上見坂側登山口に到着。

有明山・上見坂側登山口

 県道を100mほど下ると、有明山への舗装道。(写真の左上方向)

薄暗い山道

 山頂まで5.7kmの登山道の大半は、軽トラ程度が走れそうな作業道ですが、4.5km地点から山中の小道へ入ります。

有明山山頂近く

 薄暗い森を抜け、周囲が明るくなってくると、有明山山頂も近いです。

有明山山頂付近

 有明山山頂。一等三角点があります。
 ヤマボウシがまだ残っていました。

有明山登山道

 山中は展望もなく、下るのみ。

清水山分岐点

 分岐点から清水山を目指します。看板の「城跡」方向です。

清水山城

 文禄慶長の役に際し、豊臣秀吉が1591年に築かせた清水山城。国の史跡に指定されています。

清水山山頂

 清水山山頂(一ノ丸)から、厳原港方向。

石積み

 戦国末期の石積みが良好に残されています。

観光情報館ふれあい処つしま

 観光情報館ふれあい処つしまに到着です。

 さすがに少々疲れました(^^;)

 対馬は面積が広く、山が多いため、さまざまな縦走ルートがあります。

 今回は「ロングトレイル」という響きに憧れて、メジャーな城山・白嶽・有明山を一気に歩くルートを試してみました。
(トレイルというより、縦走・トレッキングでした)

 気候もよく何度も歩いているコースなので踏破できましたが、有明山には水場がなく、1日で歩くのはちょっと無理がある感じです。

 ガイドつきで、上見坂、洲藻(あるいは箕形)を休憩地として、2~3日に分けて歩くと楽しいと思います。
(上見坂~白嶽の登山道は、伐採のための作業道造成により一部が寸断されています。ご注意ください)