オソロシドコロ(龍良山)・天道大神神社の狛犬~対馬の狛犬その8~

対馬の狛犬,対馬神社群

 こんにちは、4月末に春の草花を探していて、新たな狛犬に遭遇したエヌです。

 そろそろフィナーレかな、と思いつつ続けている対馬の狛犬ブログですが、まだまだゴールが見えません・・・。

天道大神神社

 さて、今回の狛犬があるのは、オソロシドコロとも称される神山・原始林である龍良山(たてらやま)山中の天道大神神社です。

 かつては50人ほどの信者によって守られていたようですが、2017年時点で信者は主藤さんご夫婦2人とのこと。

 神社庁に登録されておらず、詳細は不明なのですが、龍良山との関係上、また神社名から、ご祭神は天道法師なんでしょうね。

新日本風土記ミニ 対馬の天道さま」(2017年度・NHK)の貴重な映像があるので、ご覧ください。

神社への道

 雰囲気のよい林道です。(交通アクセスは記事の下段に)

 神社は、縄文の森の生き残り(照葉樹原始林)とされる龍良山登山口に続く林道を少し通り過ぎたところにあります。

 鳥居は工事中でした。

 苔むした手水舎。デザインが素晴らしいです。

 こちらが拝殿。左右に狛犬があるのがわかります?

 参拝を済ませて、狛犬を観察します。口を開いた阿形(あぎょう)。

 む?! この眼の造形は、岩永系か・・・

 裏側からも激写。

 「厳原 岩永 刻」の文字が読み取れます。
 厳原町にあった岩永石材店あるいは岩永さん個人の作品のようです。

 口を閉じた吽形(うんぎょう)。

 制作年代がわからないかなー、と思っていたら、

「(厳原町)佐須村阿連 昭和27年旧3月18日 永留ヨシ子」

 情報多っ。

 薄暗い原始林のなかにあるので、無人の場合、ピリピリした空気を感じる人もいるようですが、しっかり手入れが行われている神社だなあ、と思います。

 こちらは登山口。
 「龍良山原始林」は、スダジイやイスノキなどの巨木が林立する照葉樹原始林として、国の天然記念物に指定されています。

 とはいえ、縄文時代にはむしろこちらが西日本の平均的な森だったはずで、弥生時代以降、日本中のほとんどの森を造り替えてしまった人間の力の強大さを感じます。
(まさに「もののけ姫」の世界ですね)

 龍良山は、信仰の力によってかろうじて守られてきた森(オソロシドコロ)です。

 縄文の森・龍良山と、それを守ってきた信仰を感じ、昭和27年の岩永さんの狛犬を鑑賞してみませんか?
(どっちがメイン?)

交通アクセス

>> Googleマップ

 最寄りの施設は、龍良山麓自然公園センターで、トイレ・広い駐車場があります。
 ※住所表記は長崎県対馬市厳原町豆酘ですが、実際は厳原町内山集落内になります。木・土・日休館。

 そこから250mほど舗装道を歩くと、環境省ツシマヤマネコ野生順化ステーション(非公開施設)で、その前を通り過ぎ、左手に原始林に続く林道(未舗装)が見えてくるので、右折して250m歩くと龍良山登山口、さらに250m進むと天道大神神社の鳥居です。

 あ、Googleマップの「天道大神神社」は山中にポイントされていますが、実際の鳥居は上記Googleマップの終点(林道沿い)にあります。