
対馬楽講座第2回「対馬の野鳥」レポート
こんにちは、仕事帰りに、アキマドボタル(※1)と光るキノコ(※2)の確認のために原始林に向かったエヌです。

アキマドボタルは豆酘崎(つつざき)が名所として有名で、毎年当協会で秋に観察会を開催していますが、現在、道路工事のため通行止めとなっています。
原始林(駐車場有り)で観察会ができないかなあ、と思ったのですが、どちらも数個体しか確認できませんでした。
イベントをやるには厳しい数です・・・。残念。
※1 日本では対馬のみに生息する大陸系のホタル。9月に羽化し、オスが舞う。メスは翅が退化しており、飛べない。
※2 シイノトモシビタケとヤコウタケと思われる2種類の発光キノコが梅雨時に見られる。夏の高温でいったん消失し、秋にも少数が発生するらしいが、観察データが少なく、詳細は不明。
対馬楽講座について
対馬楽講座では、「対馬の楽しみ方を身につけよう!」をキャッチコピーに、例年、地域の自然や歴史、魅力を掘り起こす講座&フィールドワークを実施しています。
今シーズンのテーマは、狛犬・野鳥・昆虫・植物・砲台など各講座の独立性が強いので、興味のある講座のみの受講や、途中参加も受け付けています。
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「対馬の野鳥」について

第2回目のテーマは「対馬の野鳥」。
アットホームな雰囲気で、対馬で見られる季節ごとの野鳥の種類やアカハラダカの渡りなど、対馬の鳥について楽しく学ぶことができました。

講師は、対馬野鳥の会 会長 貞光 隆志 さん。
受講者は33名でした。ありがとうございます!
対馬楽講座 第2回「対馬の野鳥」概要
講師 対馬野鳥の会 会長 貞光 隆志 さん
日時 2025年10月8日(水) 19:30~21:00
会場 対馬市交流センター3階大会議室
対馬の概要
- 玄界灘と対馬海峡に位置し、南北82km・面積708.6㎢。日本で3番目に大きい島。
- 森林が89%を占め、大陸との地理的近さから固有種や大陸系動植物が多い。
- ツシマヤマネコやチョウセンハシブトガラスなど固有・亜種が特徴。
- 人口は約2.5万人で減少傾向。
鳥類の多様性
- 記録種数:416種(亜種含む)
- 毎年観察される種:約250種
- 対馬は「鳥たちのハブ空港」と呼ばれ、繁殖地・越冬地・中継地として重要。
鳥の分類と現状
- 分類 特徴 備考
- 留鳥 通年生息(38種) ツシマコゲラ・チョウセンハシブトガラスなど固有亜種含む
- 夏鳥 春に渡来し繁殖(24種) ヤイロチョウ・サンコウチョウ・オオルリなど
- 冬鳥 秋に渡来して越冬 カモ類・ワシ類・ホオジロ類など
- 旅鳥 渡り途中で通過 ヤマショウビン・シマアオジなど多数
↑ 増加傾向の鳥:ヤイロチョウ・サンショウクイ
↓ 減少傾向の鳥:シギ・チドリ類、カシラダカ、ヒドリガモなど
渡り鳥観察(特に春)
- 3月のヤツガシラから渡りが始まり、4月にはオオルリ・キビタキなど多彩。
- ホオジロ科(シマアオジ・シベリアアオジ等)が対馬観察の「目玉」。
- 渡りの好天日には一気に抜けるため観察機会にばらつきあり。
アカハラダカ(対馬の象徴的存在)
- 秋に最大の群れが内山峠を通過。
- 2025年観察結果:総計94,930羽、最多日26,768羽(9月26日)。
- 朝鮮半島から東南アジアへ渡る主要ルート上にあり、衛星追跡でルート解明中。
- 台湾・韓国合同の追跡では、海越えや電力不足など技術的課題が残る。
対馬が「バーダー憧れの地」と呼ばれる理由
- 他地域では見られない鳥が普通に見られる。
- 迷鳥・珍鳥との遭遇率が高い(例:オウチュウ・ヤマショウビン)。
- 地元住民がバードウォッチャーに友好的。
- 対馬野鳥の会の活動が活発で親切。
対馬野鳥の会
- 設立:2005年
- 会員数:106名(島外54名含む)
- 年会費:1,000円/家族
【主な活動】
- 内院探鳥会(4月)
- 対馬バードソン(5月3日)
- 野鳥写真展(7月)
- アカハラダカ観察会(9月)
- 佐護探鳥会(10〜11月)
まとめ
対馬は日本と大陸の自然をつなぐ生態学的な交差点であり、
日本有数のバードウォッチングの聖地。
固有種の保全と生息環境の維持が今後の課題として重要視されている。
講座スライド
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