
対馬楽講座 第5回「対馬要塞を巡る」レポート
こんにちは、11/23(日)は佐賀県唐津市で開催される、九州初開催の「出張!お城EXPOin肥前名護屋城」に出展するエヌです。

金田城に加え、文禄慶長の役の駅城となった清水山城もPRしてきます!
さて、昨夜(11/19)、対馬楽講座第5回「対馬要塞を巡る」(対馬の砲台)を開催しましたので、ご報告です。
対馬楽講座 第5回「対馬要塞を巡る」

講師は、対馬の砲台といえばこの方、小松 津代志(こまつ つよし)さん。
対馬警備隊(陸上自衛隊)で広報を担当したことをきっかけに、対馬の軍事施設について現地踏査を重ね、「辺要 壱岐対馬防人史」「対馬要塞物語」(シリーズ)などの著書があります。
最近も、対馬の砲台の案内、2027年大河ドラマ「逆賊の幕臣」の取材対応など、多忙な日々を送っています。
辺要・・・延喜式(927年)において、陸奥・出羽・佐渡・隠岐・壱岐・対馬などの辺境の国・島々を、日本の国防・外交の重要拠点として指定したもの。辺境の守りのため重要な神社が数多く鎮座していることも特徴。

今回の受講者は28名でした。
小松さん、受講者の皆様、ありがとうございました!
※ページ下部に概要をまとめています。
対馬砲台あるき放題 姫神山砲台編 開催!
講座と連動して、対馬楽フィールドワーク(現地見学会)を開催します。題して
対馬砲台あるき放題 姫神山砲台編
ガイドは講座に引き続き、小松津代志さん。
対馬の壮大な軍事遺産の価値・魅力を、現地で体感してみませんか?
「対馬要塞を巡る」概要
【講師】 小松 津代志 さん
【日時】 2025年11月19日(水) 19:30~21:00
【会場】 対馬市交流センター3階大会議室
講座の目的と対馬の戦略的価値
【目的】 ガイドブック『対馬砲台あるき放題』を教本とし、対馬要塞の歴史を紹介するとともに、「近代遺跡の保存・活用」と「平和の重要性」について考えること。
【地政学的意義】 対馬は大陸と日本をつなぐ国境の「辺(へん)」であり、日本海と東シナ海を結ぶ「要(かなめ)」である。日本防衛の最前線としての戦略的価値は、明治時代から現在に至るまで変わっていない。
要塞建設の3つの段階(歴史的変遷)
対馬要塞の整備は、当時の国防方針や仮想敵国の変化に伴い、大きく3つの時期に分けられる。
第1期(幕末~明治10年代・日清戦争期)
【目的】 対馬自体を防御し、敵に本土侵攻の足がかりを与えないこと。
【特徴】 煉瓦主体の構造。28センチ榴弾砲などが配備された。
【主な砲台】 芋崎砲台、大石浦砲台、大平砲台(低)、温江砲台など。
第2期(明治中期~日露戦争期)
【目的】 敵艦隊の根拠地となりうる「浅海湾(あそうわん)」を守ること。
【特徴】 コンクリートと煉瓦の混用構造。標高が高い場所への設置や、地下構造の強化など、耐弾性・防御力が向上した。
【主な砲台】 姫神山砲台、城山砲台、上見坂堡塁など。
姫神山(ひめがみやま)砲台 ※代表的な砲台
【特徴】 第2期工事(日露戦争期)を代表する砲台。
【構造】 赤レンガ造りで、イギリスの技術が導入されている。赤レンガと現地の浅茅(あそう)砂岩の石積みとの調和が美しく、レトロな雰囲気があると評される。
【現状】 遺構の保存状態は良好だが、天井のひび割れが見られ、整備が必要な状態である。
【装備】 28センチ榴弾砲(6門)が配備されていた。
第1期から第2期への変化
- 砲床数 1砲座に1砲床(大砲が1つ)→1砲座に2砲床(大砲が2つ)
- 砲台の標高 75m以下→150m以上
- 砲座と砲側庫の位置関係 接近して設置し高低差がある→離して設置し同一平面
- 砲側庫の盛土の高さ 5~6m→0.5~1m(盛土が厚いと衝撃が砲側庫に集中するという実験結果の反映)
28センチ榴弾砲(りゅうだんほう) ※代表的な兵器
【概要】 第1期・第2期工事(明治期)の主力兵器。
【特徴】 砲身が短く、高い角度で弾を発射して放物線(曲射弾道)を描き、敵艦の甲板(上部)を破壊することを目的とした 。
【配備先】 芋崎、大石浦、姫神山、城山など多数の砲台に設置された 。
第3期(日露戦争後~大正・昭和期・先の大戦)
【目的】 大陸との交通路を援護すること。全島要塞化が進んだ。
【特徴】 ワシントン軍縮条約により廃艦となった戦艦の主砲(砲塔)を転用(例:豊砲台の40cmカノン砲)。鉄筋コンクリート造の地下要塞化が進んだ。
具体的な遺構と見どころ
- 技術的特徴 当初は煉瓦造りの「イギリス積み」などが採用されたが、時代とともにコンクリート構造へと変化した 。
- 1861年対馬事件 ロシア軍艦による芋崎占拠事件は、その後の防衛意識に大きな影響を与えた。
- 豊砲台 「東洋一」と言われた巨大な砲塔砲台跡であり、地下構造物などが残っている 。
まとめ 近代遺跡の価値と活用
砲台もと暗し
《自分の住む島の持つ資源を発見し、開発することが大切である。それにより、明日への道がひらけると思う。資源は眠っているものであり、それを見つけるのは人である。人が見つけない限り、資源は資源ではない。
資源を見つけることで生きてくるし、生かされるのである。》(宮本常一語録)
【野外博物館としての価値】 要塞跡は、歴史の事実を伝え、平和教育の場となり、地域の観光資源としても活用できる「宝の山」である。
【保存への提言】 離島や山間部にある「限界遺産」である戦争遺跡を、奄美大島要塞跡のように国史跡として保存・活用することを目指すべき。
「対馬砲台あるき放題~対馬要塞まるわかりガイドブック~」
対馬楽講座シーズン2、始まります!
対馬楽講座のシーズン2は、対馬お城大使・萩原さちこさんによるお城講座を中心に、その前段となる築城者の人間ドラマ(歴史背景)、対馬の観光、聖地巡礼・大河ドラマなどなど。
姫神山砲台・オヒデリ様神事・金田城のフィールドワーク(現地見学会)、対馬楽検定も合わせて開催します!


https://kacchell-tsushima.net/archives/10992




