御岳・平岳縦走 ~ツシマヤマネコが棲むモミの原生林を歩く~

2021/07/13

御岳・平岳

 こんにちは、夏休みの宿題(トレッキングと神社の原稿)が終わらない局長Nです(-_-;)

 暑さも盛りを過ぎ、登山の問い合わせが増えてきました。

 これまでは、登山口から山頂までの往復ルートを紹介することが多かったのですが(登山口に置いた車に戻る必要もあるので)、少しずつ縦走ルートも紹介したいと思います。

 第一弾は、ツシマヤマネコが棲息する対馬北部の御岳~平岳縦走ルート(御岳登山口~御岳山頂~平岳~平岳登山口~御岳登山口)の約10キロです。

御岳平岳縦走ルート

※地名表記は「御岳」「御嶽」が混在していますが、国土地理院の表記に従い、以下文章では「御岳」で統一します。

御岳公園

 御岳登山の起点は、上県町の瀬田~佐護間の国道382号線上にある「御岳公園」です。

 トイレがあり、ここから北に0.2km進んで右折し、1.5km進めば、御岳登山口です。

 >>御岳公園(Googleマップ)

キタタキ説明板

 大正時代まで御岳には巨大なキツツキの仲間「キタタキ」が棲息していましたが、樹木の伐採や標本用の採集により、絶滅したと考えられています。

 キタタキの絶滅により国天然記念物の指定は解除されましたが、同時にヤイロチョウなどの貴重な鳥類の繁殖地として再指定されました。

御岳登山口

 御岳登山口の駐車場は広め。乗用車が7~8台駐車可能。

 >>御岳登山口(Googleマップ)

鳥居

 登山口の鳥居。ここから先が聖域であることを示しています。

 御岳山頂の標高は479mで、登山口は標高120m。距離は1,520m。

階段

 登山開始からしばらくは急傾斜の階段が続きます。ここで息を切らすと後が続かないので、マイペースで。

モミ

 低域は植林地ですが、登山口からの距離900m(標高320m)付近から、モミの巨木が現れます。

ヤマネコ看板

 ツシマヤマネコを対象とする「御岳特定生物生息地保護林」の看板。

 野生のツシマヤマネコに遭遇するんじゃないかと、ドキドキしながら歩きます(^^;)

お堂

 登山口から1.2km地点(標高370m)に、お堂があります。まもなく山頂、ここで小休止。

 式内社・島大国魂神社に比定されていますが、本来は山自体が信仰の対象、ご神体だったんでしょうね。

御岳・平岳分岐点

 御岳と平岳の鞍部(あんぶ。つながった2つの山の尾根がくぼんでいるところ)が、両山の分岐点です。

 今回はここを東(左)に進んで御岳、戻ってきて、西(右)に進んで平岳を目指します。

倒木

 御岳山頂付近の迷いやすい地点。登山道に2本の倒木があるところ。

 1本目を乗り越え、2本目を乗り越えないで右に進むと、山頂に続くピンクのリボンが見えてきます。

山頂の鳥居

 山頂部も修験道の聖地。

磐座と石仏

 山頂には磐座(いわくら)があり、蔵王権現などの石像が祭られています。

 展望は目保呂ダム方面(南)のみ。

 登山口から山頂まで、ルートを知っている私の足で約1時間なので、初めての方・急傾斜が苦手な方は90分ほど見込んだほうがよいかと。

倒木

 御岳・平岳分岐点に戻り、平岳方向に進みます。

 平岳の名前の由来は、標高450mほどの平坦な尾根道が900m続く、なだらかな山容から。

 無数のモミの巨木が出現し、倒木も多く、植物・昆虫・菌類による死と再生のサイクルを感じることができます。

濃緑の登山道

 巨木と岩が濃緑の苔でおおわれ、神秘的でした。

 広葉樹と、整った姿の針葉樹モミが混交する、南部とは違った原始林の雰囲気もとてもよかったです。

一等三角点

 平岳には、対馬に3ヶ所しかない一等三角点があります。

 ルート的には、ここまで進んで、ちょっと戻って、平岳山頂(三角点)を迂回するような形で平岳登山口へ下りていきます。

 ちなみに他の2ヶ所は、厳原町の有明山(登山可)と、豊玉町の観音岳(登山不可。遭難事例あり)です。

伐採・展望

 平岳山頂迂回路ルートの途中、樹木の間から木漏れ日が射していたので寄り道してみると、地籍調査のため樹木が伐採されていました。

 千俵蒔山の風車も望める、新たな展望ポイントになりそうです。

 天気がよければなー(-_-;)

迷いやすい場所

 迷いやすい場所。

 右側にヤマネコ看板(御岳特定生物生息地保護林)が背を向けており、そちらが正解ルート。

 倒木などがあると見落として、左側を直進しがちです。

政界ルート・ヤマネコ看板

 正解ルート。写真左上方向が平岳登山口。

平岳登山口近くの登山道

 まもなく平岳登山口。

平岳登山口

 平岳登山口です。国土地理院の地図では「ドウ坂」と表記されています。

 通常、縦走する場合は、登山口と下山口が別になるので、車を2台使ったり、下山口から登山口まで歩きますが、今回は事前に自転車を置いておきました。

御岳公園・国道382号線

 2.6km緩やかな舗装道(旧道→国道)を下る(標高150m→50m)と御岳公園。

 さらに、そこから1.5km登る(標高50m→120m)と御岳登山口に戻ります。

 自転車でのこの微妙な登りがけっこうしんどかったので、御岳公園に車を置き、徒歩で御岳登山口まで歩き、帰路は御岳公園から車に乗れば楽だったかも。

御岳登山口の沢

 登山口の綺麗な沢で顔を洗うと、気分爽快です。

 今回は縦走ルートですが、体力、残り時間などにあわせて、コースを選んでくださいね。

  1. ショートコース(往復3km): 御岳登山口~御岳山頂~御岳登山口
  2. ミドルコース(往復5km): 御岳登山口~御岳山頂~平岳(一等三角点)~御岳登山口
  3. ロングコース(縦走10km): 御岳登山口~御岳山頂~平岳(一等三角点)~平岳登山口~国道382号線~御岳登山口
  •  老若男女、すっかり定着した感のあるトレッキングですが、登山愛好者の趣向も多様化しています。
  •  その土地ならではの動植物を観察する
  •  原始林の雰囲気を楽しむ
  •  清浄な空気を吸いながらゆっくり歩く
  •  その山にまつわる歴史を楽しむ
  •  土地の人とふれあう
  •  その土地のおいしいものを食べる・飲む

 などなど、対馬の山にはそれらに応えられる多様性があるので、今後も徐々に紹介していきたいと思います。

 電子機器は過信せず(GPSも携帯も電池が切れればただのお荷物)、地図などの道具や雨具などの装備、体調にも気をつけて、山歩きを楽しんでくださいね。

ツシマヤマネコ

 いつかは逢いたい、野生のツシマヤマネコ。

 コースの詳細・写真・軌跡などは、今回ばっちりデータが取れた登山アプリYAMAPのページをご覧ください。

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 次回は、有明山、白嶽のロングコースを予定しています。