白嶽での遭難(道迷い)について

2021/04/07

白嶽

 こんにちは、年末のお休み初日(12/29)、対馬南警察署の方といっしょに、白嶽で遭難者(道迷い)を捜索していた局長Nです(-_-;)

 さいわい発見が早く、ご本人に怪我もなかったのですが、いろんなことを考えさせられる事案だったので、報告です。

 以下、箇条書きで流れを。

  • 2012年12月29日(土)10:00ころ、宿泊施設の方から、「今朝宿を出た観光客のAさん(仮名)から『白嶽で道に迷っている。遭難したみたいだ』と電話があった」と私の携帯に連絡が入る。
  • Aさんは、白嶽正規ルート上の「行者の岩屋」を通過後、白嶽神社の「鳥居分岐点」を通過せず、山頂近くの岩場に登ったが、帰路に道を見失い、白嶽山中の見晴らしのよい岩場にいる、とのこと。
  • 出発準備をしていると、対馬南警察署から連絡があり、「Aさんから警察に連絡があり、地図上に携帯の発信地を記録している。ただ、白嶽の現地の様子がわからないので、一緒に行動できないか」とのこと。
  • 白嶽登山者駐車場で合流し、地図を見せてもらうと、通常ルートから外れた山中にいることがわかった。正規ルート上でAさんにもっとも近い場所まで移動したが、まったく道がなかった。
  • 警察官の方が大声で呼びかけをすると、小さいながらも返事があり、腰ほどの高さのシダのヤブを漕ぎながら300mほど声の方に進み、Aさんを発見。
  • Aさんは正規ルートを外れた岩の上におり、怪我はないが、かなり疲労している様子だった。軽装・単独行動で、往路に正規ルートを通っていないため復路でも道を見失い、無理に進んだ結果、まったく道がわからなくなった、とのこと。
捜索中

 今回の道迷い事故で不幸中の幸いだったのは、

  • 遭難の連絡が早く、天候もよかった。
  • 携帯の圏内で、随時連絡がとれた。(ただ、発見時の電池残量は40%)
  • 警察への連絡により、発信箇所が特定できた。
  • 遭難者が怪我もなく、大声で返事ができ、指示通りその場を動かなかった。
  • 遭難箇所が比較的正規ルートに近く、呼びかけの声が通り、発見が容易であった。

 などの好条件が重なっていたこと。

遭難状況地図

 逆に、悪天候、夕方近くの遭難連絡、携帯圏外あるいは電池切れ、怪我、などの悪条件が重なれば、捜索中に日暮れを迎え、気温が下がり、重大な事故につながった可能性がありました。

遭難場所

 長崎県下での平成20年の遭難件数は5件8人程度で、対馬でも年に1~2件程度なのですが、登山ブームの影響で全国的に事故が増えています。

 必要な装備と十分な準備をして、トレッキングを安全に楽しんでいただきたいと思います。