ゲンカイツツジ

対馬のアオサと「ーラキマフ」について

2021/07/13対馬の自然

 こんにちは、先週NHK長崎で、対馬市美津島町加志(みつしままち・かし)の「アオサ」(海藻)が収穫の時期を迎えている、と放送されていましたが、こっそり現場で収穫していた局長Nです。

 「3月下旬まで、地域の女性が・・・」と放送されてましたが、加志在住でもなく、女性でもないので、映ってなくてよかったです~(殴)

アオサ

 さて、アオサ摘みは、対馬の冬・初春の風物詩です。

アオサの網入れ

 冬、干潮時に河口近くの汽水域にアオサの網を張ると、満潮時には水没し、アオサが付着し、生長していきます。

 低く張ると干潮時にアオサが干潟の泥に貼りつき、高く張ると霜にやられて真っ白に枯れてしまうので、網の高さは重要なのです。

 写真は、昨年2012年11月25日の網張りの様子。

てぼ

 竹製の「てぼ」。道具も渋いです。

アオサ

 年が明けて2013年2月10日。

 適当な長さに生長したら手で摘むわけですが、中腰で長時間の作業になるため、なかなか大変です。
 (1時間で腰が悲鳴をあげました・・・)

 根こそぎ取るとなかなか生えてこないので、少し根?を残すのもコツです。

 収穫したアオサは、洗濯機・脱水機の要領で、何回も海水で洗います(人力で)。

 これをやらないと、乾燥したときにアオサの表面が泥で白くなり、売れません。

 洗ったアオサは、大きな棚に広げ、乾燥させます。

 その際、砂とか小石、イワノリ(茶色)を取り除かないと、お客様からクレームをいただきます(-_-;)

干しアオサ

 乾燥すると、干した海苔のような状態に。

 磯の香りがすごいです。

生アオサ

 こちらは生アオサ。

 収穫した夜にお吸い物にしていただきましたが、冬の海での長時間の作業と、収穫時の苦労を知り、一杯のアオサがよりおいしくなりました。

 対馬の味でした。

 アオサは地元のスーパー、通販などで購入でき、地域の女性(時々、男)により3月下旬まで収穫されます~(殴)

 さて、ブログのタイトル「ーラキマフ」についてですが・・・

 アオサ収穫の後、対馬市美津島町尾崎(おさき)の海岸を歩きました。

 (尾崎半島は、言わずと知れた砲台の聖地(メッカ)です)

陸軍地帯標

 お目当ては、対馬が要塞地帯であったことを示す「陸軍地帯標」と、

アオイガイ

 冬に漂着するアオイガイの殻だったのですが、海岸で意外な発見が。

ーラキマフ

 これ、なんだと思います?

 実は殺虫剤「フマキラー」のビンです。

堂春回下大

 広島県の「大下回春堂」が、1924年に専売特許を取得。

 ストローを挿し、呼気を吹き込むと、反対側から殺虫剤が噴射されるという、誤飲事故が多そうな商品です(殴)

 「フマキラー」「大下回春堂」が右から左に書いてあるので、1924年から戦前にかけての製品のようです。

 古ければ90年近く前、終戦直前でも60年以上前のガラス瓶が、ほぼ完全な状態で海岸に転がっていました。

 犬も歩けば棒に当たる、私が歩いたら「ーラキマフ」に当たった、という、何とも変なオチの記事でした。

 おまけ。