
対馬の春の花々、ドライブと山歩きのススメ
こんにちは、春満開の国境の島・対馬からエヌです。
対馬は面積の89%を森林が占め、ゲンカイツツジが春の訪れを告げると、続いてさまざまな植物が開花し、森全体が一気に目を覚まします。
今回は、この3月下旬~4月上旬に撮影した、ちょっと気になる(かもしれない)春の花々を紹介します。
(ドライブや山歩きの参考にどうぞー)
スミレの仲間
対馬ではタチツボスミレ、コスミレ、シハイスミレなど多様なスミレの仲間を見ることができます。
シハイスミレ

葉の裏側が紫色なので、紫背スミレ。名前にもさまざまな由来がありますね。
ナンザンスミレ
そして、見つけるとひときわ嬉しいのがナンザンスミレ。

対馬と朝鮮半島南部に自生し(つまり日本では対馬だけ)、鳥の足状態の裂けた葉が特徴です。

南部ではピンク、北部では白花が見られます。
ツツジの仲間
まずゲンカイツツジ、少し遅れてコバノミツバツツジ、ゴールデンウィーク頃にタンナチョウセンヤマツツジが咲きます。それぞれの分布域は以下の通り。
- ゲンカイツツジ ・・・ 中国地方(岡山以西)・四国・九州北部、朝鮮半島
- コバノミツバツツジ ・・・ 日本特産
- タンナチョウセンヤマツツジ ・・・ 対馬と韓国の済州島のみ
氷期には海水面の上昇や下降によって、大陸と対馬、そして日本本土がつながったり離れたりしていました。こうした変化の過程でこれらの植物が移動したと考えると、これらの花々は、日本列島の形成の歴史を(静かに)今に伝えていることになります。
ゲンカイツツジ

葉が出る前に淡紅色の花を咲かせ、対馬に春の訪れを告げます。
低木ということもあり、海岸部や岩場など日当たりのよい場所でよく見られます。
春の花、いろいろ
春の訪れを告げる、見つけると嬉しい花々です。
ミツマタ

薄暗い植林下などに、黄色く光る無数の花を咲かせます。
もともとは中国・ヒマラヤが原産地で、紙の原料として植栽されたようです。
ナンバンキブシ

林道などをドライブしていると、陽の当たる斜面によくぶら下がっているのですが、花の時期以外には気づきません(笑)
ヒトリシズカ

半日陰の湿った登山道沿いなどを好む、名前通りの可憐な野草です。
香りのよいキビヒトリシズカも稀に自生しています。
ヤブツバキ

スダジイなどと並ぶ、対馬の照葉樹林を構成する基本的な樹木です。

昆虫の少ない冬に開花するのは、鳥に花粉を運んでもらう戦略なんですかねー?

野生でも、稀にピンク、白花が見られます。
シュンラン

日本中の山野に普通に生えている(本当に?)とのことですが、見つけると嬉しい野生ランです。
フデリンドウ

シュンランよりはよく見かけますが、出会うと嬉しい野草です。(まだツボミ)
サクラの仲間
そして春といえば桜。対馬には野生のヤマザクラも咲きますが、植栽のソメイヨシノやカワヅザクラなども見応えがあります。
ヤマザクラ

野生のヤマザクラとヤブツバキ。ヤマザクラは葉も綺麗ですね。
サクラ
言わずと知れた春の風物詩ですが、満開を過ぎると風雨で散りやすくなります。

入学式まで花がもつといいのですが、今年はどうですかねー?


ヤドリギ
さて、娘たちと満開の桜を見ていると、大きな緑色のボールが・・・。

「あれはヤドリギ。半分・光合成、半分・寄生植物。果実にネバネバ成分があり、野鳥がそれを食べると、フンがネバネバになって木の枝にくっつき、発芽して根を張り、寄生します。城山(金田城)で見るヒノキバヤドリギよりデカイね」
などと説明していると、
娘たちの反応は、
「かわいい」「キモい」
でした。

これからしばらくの間、かわいくてキモい植物(ギンリョウソウとか、マムシグサとか)も楽しめそうです。